
岩国駅前で1時間ほどの電車待ちになった。時間的には昼飯にちょっと早いくらいだったが、駅前で何か食べておかないとまた昼飯がコンビニおにぎりになる。ただ、駅前は基本的に随分と寂しい。繁華街が駅から離れたところにあるせいだろう。山陽本線の主要駅のはずだが、駅構内にはカフェしかない。
駅前のバス乗り場付近を見渡すとはしっこの方に一軒のラーメン屋らしきものを発見した。その隣はオシャレ系のバーガー店だった。岩国には米軍基地があるからアメリカンテイストの店が駅前にあるのも不思議ではない。だが、ここは気分的にバーガーではない。つまりラーメン一択なのだが、この店のみかけが何ともすごい。まるで昭和40年代にタイムスリップした感がある。
駅前に美味いものなしとは昔よく聞いた言葉だが、この岩国駅前で生き残っているのだから、まずいはずはないと思う。なんといっても、看板には中華そばと書いてあり、豚骨ラーメンとか「らうめん」とかの現代風表記ではない。きっと美味いはずだ。

店に入ると最初に入り口で注文して前払いする仕組みだった。それは問題ない。が、注文すると「ラーメン、ワーン」と厨房に大声で伝える。一つではなく、ワーンなのだ。二つの時はどうするのだろうと、席について聞き耳を立てていたが、何故かソロ客しか来ない。ワーンが連発だった。ようやく複数人が入ってきたが、これが何と六人組で席待ちになった。とうとう最後までふたつの注文には出会えなかったが、これはこれで面白かった。ラーメンが来るまで待つことしばし、その間も若い客が続々と入ってきた。一人客はみんな相席になるが、繁盛店であることがよくわかった。爺さん婆さんのたむろする店より、若い衆が集まる店の方が客の新陳代謝が効いている、つまりうまさが世代を超えて引き継がれているということだから、客層を見ていて安心できる。
一口食べると、妙に懐かしい味がする。とんこつベースなのだが、予想外にあっさりとした仕上がりだった。コラーゲンがたっぷり出て、食べると口の周りがギトギトする最近の豚骨ラーメンとは違う。以前岡山で食べた岡山ラーメン元祖と似た感じだ。おそらく九州からとんこつラーメンが伝わってきて、その途中でマイルド系なスープに変化したのだろう。
この系統の豚骨ベースがもう少し全国に広がっても良さそうな気がする。ただ、見た目はシンプルで最近のゴテゴテしたヘビートッピングなラーメンと比べると、ちょっと見劣りがする。しかし、味はこちらが抜群に良い。まあ、時代に媚びない頑固者という理解で良いだろう。

注文する時にすでに客席でラーメンを食べていた客のほとんどが注文していたお稲荷さんを追加で頼んだ。これも、揚げの中にたっぷりとご飯が詰め込まれたストロングスタイルなお稲荷さんで、控えめな甘さの味付けだった。この店のサッパリ系ラーメンにはよくあっている。
地方都市の駅前食堂は生き残るのが厳しい時代だろうが、そんな時代にしっかり生き残っている店は、やはり名店である確率が高いようだ。美味しいラーメンを食べて少し気分が上向きになる。良い店だったなあ。














































