
昔馴染みの友人たちとの定例居酒屋飲み会は新年会も兼ねたものだが、一月下旬開催とは新年会というにしてはちょっと遅い。だが、飲み期のピークをずらしてのんびりやるのが、時間だけは融通がきくおっさんたちには向いている。
今回の会場は新宿御苑駅近くだったが、よく考えれば新宿三丁目から歩いても大した距離ではない。ただし表通りを歩かなければだ。3丁目と御苑駅の間には難関地帯が待ち構えている。行きは一人なので地下鉄利用し安全対策をとり、帰りは集団下校?だから「狩」に合うこともなく3丁目まで歩いた。
繁華街で怪しい店の客引きは随分と減ったが、「怪しい地帯」では裏通どころか地域ぐるみで警戒が必要と思うのは、歳をとった証拠だなあなどと歩きながら思っていた。

この店は鶏料理のがメインなのだが、その中でも中心的存在が半身揚げだ。ゴロンと半身がそのまま出てくると思っていたら(札幌ではそのスタイルが一般的なので)、なんと綺麗にカットされていた。お皿に収まりも良く端正に見える。おまけに小ぶりで食べやすいとメリットだらけなのだが……………なんとなくボリューム感に欠けて見えてしまう。豪快さは消えているなあ、などと感じるのは北海道育ちの野蛮さだろう。料理には都会的洗練が求められるのがスタイリッシュなお江戸の作法だ。
一口食べると、あたりまえだが普通に美味い。美味いのだが、塩味が薄めでそこもやはりスタイリッシュというかヘルシー志向というか。いえいえ、文句をつけているわけではありません。北海道の半身唐揚げとは違い揚げ油の管理もしっかりされているみたいだし。

ピーマン肉詰めが面白い形で出てきた。セルフで最終工程をしてねということらしい。同行者の説明を受けて納得した。まあ、店側からすると一手間省けるということだし、ピーマンのフレッシュ感が良いので、個人的には大変好ましい食べ物だった。

お好みで味の調整もしてくれということかもしれない。塩加減はちょうど良いと感じたが、人によっては追い塩とか追いコショウが欲しくなるかもしれない。いや、きっと一番欲しがられるのはマヨネーズだろうなあ。追加100円で明太マヨとメニューに書けば人気がでそう、などと商売的な考えもしたりして。

なぜか最近の飲み会で定番のように登場するだし巻き卵だ。単純に注文する同行者のこのみかもしれないが、加齢による嗜好の変化なのではないかと勘繰っている。だし巻き卵を自宅で作ると、出汁を取る手間とか、焦げないように弱火で丁寧に焼くとか、面倒ごとが多い。仕上げを巻き簀で締め上げるなど面倒の極みだしなあ。自分でやるときは出汁の代わりに味の素、四角い卵焼き器ではなく小ぶりの丸いフライパンでスクランブルエッグもどきなど手抜きをしてしまうから、こうした本格派のだし巻き卵、それも甘みの薄いものはありがたいのだが。
もぐもぐと卵焼きを食べながら、やはりあれこれ考え込んでしまった。卵料理が好きになるというのは、還暦を過ぎて子供にかえるということを実践しているのではないかと。
美味い居酒屋ではいろいろと哲学的な考察をしてしまうものだ。































