書評・映像評

散歩エッセイではない うひょ!東京と北区赤羽

https://www.amazon.co.jp/dp/4575944696/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_8GB7DbBP3P9WC

北区赤羽

最近の住みやすい街ランキングで赤羽とその隣町の川口が上位に入ったようだ。確かに、埼京線と京浜東北線が交差する赤羽は、都心に出るにも便利だし、駅前のごちゃごちゃ感がなかなか良さげで、山手の小洒落た町より良いかなと個人的には思っている。

天井のかかったアーケード街というのが昔から好きで、地方都市の旧繁華街でアーケード街を歩くと、今はすっかり寂れていますという感じが悲しいなと思うことも多いが、赤羽はまだまだ人の賑わいも多く元気なアーケードだ。
赤羽のアーケード街に似ていると言えば、熊本とか鹿児島の南九州系アーケードか。人の元気さが似ているような気がする。仙台は駅から繁華街一番町に向かう一方的な流れが他の街とは違っているが、やはりちょっと赤羽っぽい気もする。逆に北国札幌や小樽のアーケード街は、実に寂しい。特に小樽のアーケードは寂寥感すら漂う。札幌のアーケードは、すでに外国人観光客に占拠されてしまったので、異国の地だ・・・。

赤羽がテレビの町歩き番組で紹介される時は、決まって飲み屋街、それも朝からオヤジとジジイが飲んだくれている店が紹介されることが多い。これは大阪の南部、通天閣界隈と同じ扱いだなあ、などと思っていたが、それを描き出していたのが初期の作品。今ではそうした飲んだくれ街の紹介はとうの昔に終わっていて、怪しげスポットもネタが尽きたようで、現在はほのぼの系な店を、それも1話完結ではなく複数回掲載という感じになってきている。初期の怪しげな店紹介が面白かったのだが、ほのぼの系もなかなか味があって良い。描き手の力量が上がったということなのだろう。シーンを「切り取る」ではなく、シーンを「描く」ようになったということだ。

Amazonで調べてみたら、「東京都北区赤羽」第1巻は、2009年6月発売だからすでに10年前の作品で、おまけに「印刷」された本は版切れらしく中古本は買えるが、電子出版Kindle版は見当たらない。この初期第1巻だが、たまたま本屋で「表紙買い」して面白かった記憶がある。ただ、その後、本屋で見かけることもなく、古本屋で見かけて続きを1−2冊買った。だから、初期の「東京都北区赤羽」は、今ではすっかりレア本だと思うが、1巻目から読む必要もないので(連続した登場人物がいるわけでもないし)、手近なところから順不動に読み進めても良いだろう。描き手の赤羽を面白がる視線にはブレがないし(面白い話とつまらない話は混じっているが)、赤羽って面白そうな町だなと思って読めば実に楽しい。実際に足を運べばもっと楽しい。

エッセイ漫画は、日曜午後の暇つぶしには最高のお供だ。これと合わせて読みたいのは「百姓貴族」。その話はまた別稿で。

食べ物レポート

日高屋とみそら 味噌ラーメンバトルin所沢

日高屋の味噌ラーメン

日高屋の味噌ラーメン

日高屋は、埼玉が誇るB級中華チェーンで大宮を本拠地に埼玉県と東京北部一円に店舗展開している。元祖ちょい飲みやでもあり、価格の安いことから昼でも夜でも混んでいる。とてつもなくうまいものを作らないという、食い物屋としては不思議なポリシーがあるようで、値段に合ったそこそこおいしいものを目指しているそうだ。だから、定番のラーメンも手抜きをしているわけではないだろうが、そこそこのうまさに落ち着いている。
同じ埼玉県で中華料理店を展開する餃子の満洲(ルーツは所沢)と比べると、ちょっと負けていると思うが、駅前に揃って出店していることはないので、競合状態もそこそこでやっていこうとしているのだろうしかし、餃子の改善はもっとしっかりやるべきだろうと思う。今の感じでは餃子の王将より落ちる。さて、日高屋の味噌ラーメンだが、もやしがたっぷり乗っていて、お得感はある味噌ラーメンだが、スープがおとなしいので、濃いめの味噌汁でラーメンを食べているような気がしてくる。東京周辺では、一帯にラーメンスープはあっさり目なので、こんな感じになるのか。札幌や博多のギットリと言いたいくらいの濃厚系ラーメンから比べると、大変おとなしいさらっと系というべきだろう。麺も札幌系のもちっとした歯応えはなく、歯切れも良い。埼玉のラーメンというより東京(首都圏)のラーメンの代表感がある。

みそらの味噌ラーメン

入間のみそら

「みそら」はイオン入間の中にある。実に薄暗い店なので、ショッピングモールでは珍しいと思う。こちらは麺を札幌から送ってきていた。麺の味がラーメン全体の味の半分以上を決定するかなと思うだけに、これはポイントが高い。東京の製麺屋も優秀だが、札幌西山製麺的な面にはお目にかかったことがない。
濃い味の味噌スープは、最近は標準となった豚骨ベースなので、口の周りはコラーゲンでねっとりとする。
奇妙な言い方だが、これは東京味噌ラーメン現在進行形なのだろう。札幌の昔からある味噌ラーメンは既に時代遅れなのだ。北海道全体でも、既にラーメンベースは豚骨が主流となっている。「山頭火」に始まり「白樺山荘」「けやき」などの行列ができる店は、みんな豚骨だ。

だから、この「みそら」のラーメンは現代の本流味噌ラーメン、しかも北海道風として認めよう。(偉そうに)
とりあえず所沢周辺では、この店が一番お気に入りだ。イオンの中にあるので混み方にはムラがある。土日の昼は行列ができるが、平日であればスッと入れる。

個人的には、日高屋は味噌ラーメン食べにいくには向いていないと思う。やはりみそらが良い。近くにある嘉藤も良いが、昼は行列必至だし。所沢周辺は意外と旨いラーメン屋探すの難しいのだね。

食べ物レポート

池袋 玉川の蕎麦

JR池袋駅東口、昔は三越だったビルが今はヤマダ電機に変わっている。その一角の小路にある蕎麦屋が玉川。立ち食い蕎麦ではないが、スタイルは食券でセルフサービスだから、座れる立ち食い蕎麦とでもいうべきなのか。実は、この業態は貴重だと思う。例えば、約束の待ち合わせ時間に少し間がある時など、喫茶店で時間を潰すことが多いが、そんな時に小腹が空いていたら、軽く蕎麦でもと思うのだ。しかし、普通の蕎麦屋に入るとガッチリ食べてしまいそうで迷ってしまう。そんな時の「座れる立ち食い蕎麦」はありがたいとは思わないだろうか。

この店では、そばは茹でたてが出てくることが多いので、値段の割に高品質なものが期待できる。そして、チャチャっと食べるならもりそばに限る。つゆはお江戸風のすっきりとした醤油が立つ辛めのもので、蕎麦の盛りかたもスッとたぐるのに向いた綺麗な並べ方。最近の町の蕎麦屋は、こうしたところを手抜きすることが多いので、もりそばを注文してもそばがぐちゃぐちゃに絡まっていたりする。そんな蕎麦屋には二度と行かない方が良い。新潟のへぎそばまでは行かないにしても、つまみやすく蕎麦を盛って欲しい。

また、ここの名物の一つが「肉そば」。いわゆるラー油蕎麦で、つけつゆは甘辛、ラー油が入って辛い。丼に盛られた冷たい蕎麦に牛肉の茹でたもの、胡麻と海苔がたっぷりかかっていて、長ネギも大量投下。いわゆる「みなとや」インスパイア系という奴だ。だが、これはいただけない。そばが「普通の蕎麦」を使っている。ラー油そばは基本的に、山形の板そば、冷たい鳥蕎麦などで使われる太めで歯応えがあるもの、もちっとした食感があるものが定番だ。普通の蕎麦のように細くて歯切れが良いのは、やはりラー油入りのつゆには合わないのだ。それでも何度か試してみたのだが、やはりこれは好きになれない。普通の蕎麦とラー油蕎麦用の太い蕎麦と、2種類持って欲しいと思うのは、自分だけではないと思うのだが。

ちなみにこの店は夕方になると、テーブル席で蕎麦宴会を始める人たちもいるので、夜にちょい飲みに来るのも良さそうだ。
天抜き(天ぷら蕎麦のそばを抜いたもの)や親子丼の頭(鶏肉の卵煮)などでいっぱいやるのも楽しそうだ。

蕎麦屋はもともとそういう飲み屋使いが本当だったらしい。

書評・映像評

三多摩原人とは何か 「東京都三多摩原人」   

表紙 by mason

https://www.amazon.co.jp/dp/4022513187/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_XJB7Db3ZFTK6P

三多摩原人

「孤独のグルメ」の原作者のエッセイで、東京都三多摩地区(東京23区の西にある市町村部)をあちこち歩いた記録。

基本的に散歩をして、たまに銭湯に入り、大体は締めに蕎麦屋でビールを飲む話などと書くと身も蓋もないということになる。が、実際には散歩を道具というか口実にして著者の過去にあった三多摩の原風景というか心象風景を語っているので、特別にグルメや名所旧跡を語るわけでもない。だから、ガイドブックとしてはあまり役に立たないし、著者の歩いた場所を追体験してみたいと思わせるようなものでもない。
逆に昭和30年代に生まれ、人生の半分が昭和、残り半分が平成という系譜を辿るには、こうした生まれた場所、そして育った場所の変遷を自分の目で確かめるというのが良い手法だと思わせる。
文体は簡潔で、わかりやすい。著者の本音語りが心地よい、肩肘張ってもいないし、人生を語るような高いところから視点でもない。東は田無、吉祥寺あたりから西は奥多摩の果ての旅館まで、電車と徒歩で歩き回った記録なので、東京西部はこんな場所だという理解の手助けにはなる。しかし、それなら「旅のガイド」を読めと言う話なので、やはり、ここは著者が育った昭和40ー50年代の武蔵野を一緒に感じてみるということなのだろう。24本の短編でかたる武蔵野あるあるみたいなものか。

お散歩エッセイとは、大方そんなものかもしれない。

食べ物レポート

ラーメン  北海道対決

北海道の変わり種 カレーラーメンはスープカレーのルーツだ

またラーメンの話だが、これは季節的偏差というもので気温が高いうちはラーメンの試食がしんどいので蕎麦や中華料理を食べている。夜の飲み会では魚が多いし、季節や旬の食べ物に手を染める。だから、気温が下がった時こそ集中的にラーメン。と言ってもせいぜい週に二回も食べれば立派なものだ。

千歳ラーメンのカレーラーメン

さて、千歳と苫小牧の間にカレーラーメンの有名店がある。最近は観光客がバスで押し掛けるようになり、店内は改装されセルフサービスになった上に値上げしていやがった(と文句の一つも言いたくなるくらいサービスレベルは低下した)ので、もう行かないぞと見限ってしまった。千歳にはこのカレーラーメンを提供する店が何軒かあり(コピーだろうけれど)、まあ、あまり困りはしない。
一番お手軽なのが千歳空港フードコートの千歳ラーメンで、ここのカレーラーメンはまあ標準的なレベル。見た目は、あまりカレーっぽくないが、食べればボンカレーっぽさがあるマイルドカレー味だ。トッピングも含め、何一つ尖ったところはない。が、これで良いのだろう。そもそも千歳空港でラーメン食べるときに、カレー味頼むのも微妙におかしい気がする。まあ、空港で最後に食べるラーメンということであれば、やはり有名店が立ち並ぶラーメン道場のほうに行くだろう。このフードコートでラーメン食べているのは、空港内で働いている地元従業員くらいではないのかな。
カレー味にしたラーメンスープが、スープカレーのルーツだと聞いたことがあるが、まさしくそんな感じの味がする。北海道では相当変形の部類に入るカレーラーメンだが、期待を裏切らない程度にはうまいと思う。

北海道味噌ラーメンの系譜 純蓮の拡散

高田馬場 羅偉伝 醤油ラーメン

高田馬場がラーメン激戦区だった頃(今はだいぶラーメン店が減ったような気がするが)、札幌味噌ラーメンの名店「純蓮」が支店を出した。横浜のラーメン博物館出店の後だったような気がする。どちらにしても、当時は珍しかった札幌味噌ラーメンが手近な街で食べられるということで、随分重宝した。純蓮の味噌ラーメンは、地元でも小一時間の行列待ちは当たり前の人気店だが、いわゆる老舗のラーメンとはちょっと違う。冷めないようにと、スーウの表面を厚く油が覆う。だから、湯気が出ない。それを舐めてかかって一気に食べようとすると、油の熱さで火傷する危険ラーメンだ。要は、普通のラーメンとは違う。観光客どころか地元民泣かせの「特殊ラーメン」なのだ。
そんな純蓮高田馬場店に、しばらく行かないまま、気がついたら改装されて店名が変わっていた。これはもう残念至極だったのだが、どうやら味噌ラーメン屋らしいので入ってみたら、なんと札幌味噌ラーメン、純蓮の暖簾分けだったらしい。だから、ラーメンは純連的正統性を保っている。麺はサッポロ風の中太縮れ麺、スープは豚骨ベースでコッテリ系の味噌味。これでもう少し油膜が張るほど油が入って入れば、オーソドックス純蓮と言っても良い。濃い味付けと歯応えの残る麺がマッチしている。こんな濃い味の店にもしっかり女性客(おまけにソロ)はいるので、札幌ラーメンも東京に定着したことがわかる。

九州系の白い豚骨スープも良いが、やはり味噌や醤油で黒くなったスープが好みだ。自分のルーツを再確認させてくれる食べ物であり、出来れば月に1回くらいに我慢した方が良さそうな代物でもあるのだよね。

食べ物レポート

札幌ラーメン 老舗対決

満龍といえば・・・なんだろうか?

満龍はススキノの南のはずれ

札幌のススキノにある満龍は、実に長い歴史がある(はずだ)。今でこそ、辛味噌ラーメンなどという時代迎合風のラーメンも売っているが、基本的に味噌か醤油にチャーシューという豪腕ラーメン店だった。東京恵比寿ガーデンプレイスに店が出ていた時は、随分とお世話になった。東京の支那そばにルーツを持つ東京ラーメンにはどうしても馴染めず、かといって札幌ラーメンどころかご当地ラーメンが、今のように隆盛を極めている時代でもなく、ラーメン不毛の地東京と嘆いていた。だから、満龍は本当にありがたかったのだ。池袋や銀座に札幌ラーメンを名乗る店はあったが、個人的にはみんなエセ札幌だった。麺が違うことが最大の原因。

なので満龍には足を向けて寝てはいけないっくらいのありがたさがあり、ついススキノで締めラーメンという時には足を運ぶ。今回も久しぶりで、漢人王しながら帰ってきたのだが、なぜか周りの客はほぼチャイニーズという異様な状況で、これも時代だなあなどとため息を一つ。万流の味噌ラーメンはシンプルの極みというか、最低限のトッピングしかない。これをさみしいとみるか、オーソドックスと見るかは年齢の差から来るものだ。スープは昔ながらで化学調味料たっぷり。これが嫌いな方には向かない。夜に食べるのは、歳を考えると控えめにねという感じで、麺を半分残して諦めることに。

大公といえば・・・醤油のはずだが

大綱は南2条通り 5丁目の角

「大公」も古い。昔、この辺りには東映の映画館があり、ヤクザ映画・カンフー映画全盛の頃は実に賑わう場所だった。すぐそばの狸小路にも何軒か映画館があり、周りには飲食店、ラーメン屋などが軒を連ねる昼の盛り場だった。今はすっかりビジネスホテルが立ちならび、怪しげな店は消え去り悲しい限りだが、大公の周りの一画だけはまだ店が残っている。隣の喫茶ZAZIは、今でもお世話になっている。

ここの味噌ラーメンは、ちょっと色が薄く、もやしと挽肉炒めが乗っている伝統的な形だ。チャーシューは乗っていないが、これは味の三平も同じだったと思う。この店は、ビジネス街の端っこあたりなので、さすがに外国人環境客はいないかと思ったら半分がチャイニーズだった。どうやら、狸小路でお買い物とラーメンはセットになっているようで。
本当は醤油ラーメンの方が好きなのだが、現在は味噌ラーメンの比較研究中なので仕方がない。この店も(というか札幌の老舗ラーメン屋は全てだろう)化学調味料で舌が痺れるくらいの昔懐かしい味がある。無化調をありがたがる人も多いが、所詮ラーメンは脂質、糖質、塩分の三拍子が揃った大人の嗜好品だ。健康を気にしながら食べるようなものではない。うまいものは体に悪いという言葉を実践しているのだから、もって瞑すべきだ。
せめてラーメンライスはやめよう、せめて餃子を頼むのはやめよう、くらいでよろしい。

老舗の味噌ラーメンは、きっぱりと罪悪感を感じながら食べる悪徳なる美味。それのどこが悪い。ちなみに、味噌味の濃い目が好きなら満龍がおすすめ。

旅をする

ダムを見に行く 冬になればおやすみ

今年最後のダムは北海道

ダムは山の中にあることが多い。だから、雪が降り始めると、基本的に終わりになる。平地ではまだ雪が降っていなくてもダムの周りは凍結していることもある。特に、現地に行ってみるまでは道路状況もわからないことが大半なので、危ない目に合わないとも限らない。
ダムを見に行って崖下転落など洒落にもならない。

北海道 十勝ダム ロックフィル型
今年の最後のダム

雨の時期も危ない季節だし、台風が来れば道路が閉鎖されるような場所にダムがある。
こうして、ダメな時期を消していくと、意外なほどダム巡りの時期は限られる。

山形県 長井ダム 重力式ダム

東北でもやはり山の秋は早いので、せいぜい10月前半くらいと思っていたが、今年は台風の当たり年で、やはりタイミングが限られていた。週間予報とにらめっこしながら、晴れの続く日を狙うしかない。山形南部のダム巡りに行った時は午前中が雨降りだったが、県を東西に行き来しているうちに晴れたり曇ったりしていた。ダムに着いた時はたまたま晴れ。宮城県北部のダムは、好天に恵まれ気持ちの良い秋のドライブだった。ちょうど稲刈りが始まる時期で、水量も多い。田舎道のはずなのに妙に交通量の多いのは、いわゆる裏バイパスで地元民が抜け道に浸かっているからなのか。

宮城県 長沼ダム
これは水門

宮城県北部のダムは、好天に恵まれ気持ちの良い秋のドライブだった。ちょうど稲刈りが始まる時期で、水量も多い。田舎道のはずなのに妙に交通量の多いのは、いわゆる裏バイパスで地元民が抜け道に浸かっているからなのか。

流麗なアーチ型

温泉町鳴子から、車で10分ほどにばよにある鳴子ダムは。きれいなアーチ型ダムで、ダムの表と裏の両方から見ることができる。こういうところでは準備をしっかりすれば雪の中のダムも見ることができるのだろうけれど、寒いし、危ないし、ご遠慮申し上げるという物だ。

宮城県 鳴子ダム

来年のダム巡りは、多分4月からになるのだろうね。その頃にはダムカレーももっと増えていそうだ

書評・映像評

降旗監督と名優高倉健 その3

これまた日本海の冬の海が舞台とは 降旗監督は冬の海が好きなのだ

ボックスカバー BD by Amazon

https://www.amazon.co.jp/dp/B00898WK30/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_eW04DbEBY2Y30

勝手に名付けた降旗監督 高倉健と美人女優三部作の第3作。

前2作とは、やはり健さん映画だけに共演者もお馴染みの顔ぶれということもあって、似たような印象がある。ただ、今回は妻役の石田あゆみの抑えた演技が良い。役柄として、とても美人に描かれてはいないが、ちょっとした表情に美人さが出てくる。逆に、魔性の女的田中裕子が、まだこの時は開花前というか、この映画以降に出てくる演技の凄みのようなものが抑え気味だったという印象。
が、何より凄いのが「ビートたけし」演ずる、ダメヤクザだった。この頃はすでにコメディアンとしては円熟期を迎えていたたけしの怪演ブリは素晴らしい。のちの、監督作品に通じる「暴力的なダメ男」は、このころ形成されたのだろうか。

ヤクザの特攻から、日本海の漁師への転身が、あまり無理なく描かれている。刃傷沙汰に飽きたのか、妻に惚れ込み静かな暮らしを望んだのか。そこに不協和音として紛れ込んだ、田中裕子とビートたけしが、街をかき乱し、勝手にいなくなるまでの「冬」の嵐。

山があるようでなく、オチがあるようでなく、ちょっと奇妙な後味の残る作品だった。
この後、しばらく健さんは映画に出なくなる。いったん出ても次作までの間隔が開くようになり、2000年以降の後期降旗三部作まで、静かな時期だったように見える。この80年代の作品の抑えた演技ぶりは、ほぼ完成の域にあったと思うが、実はもう少しコミカルな軽い演技をしようと思っていたのではないかとも想像する。東映ヤクザ映画から始まった自分の演技を、どこかで変えようと思っていたのではないかなと。

結局、それは叶わずに最後の作品まで健さんは、健さんだったような、

食べ物レポート

北海道のヒーロー 餃子のみよしのとザンギ

みよしのとは・・・

餃子の「みよしの」といえば、札幌人のソウルフードというか、札幌の高校生でみよしのを知らない奴はいない。だから元高校生以上という年配者も含めてみんな知っている、はずだ。もともとは狸小路にあるカウンターのみ、10席程度の小さな店だった。その餃子の安さに高校生が飛びついて、地下鉄駅周辺にじわりじわりと店が増えていった。カレーも安く、びっくりカレー¥190円は大学の学食より安いくらいだった。びっくりカレーに餃子三個乗せた餃子カレーが、男子高校生の鉄板定番だった。今ではさすがに餃子カレーも¥400程度はするだろう。

ザンギの話その「みよしの」で、一部店舗限定だがラーメンが食べられる。決してラーメン専門店の味を求めてはいけないが、そもそも餃子だって、とてつもなくうまいというものではない。この値段で、このボリュームで、十分満足できるよねというのが、「みよしの」の満足の方程式だ。うまさで超絶しているわけでもないし、長蛇の列ができるわけでもない。それでも、元高校生から現役高校生まで幅広い層で「みよしの」は支持されている。だから、この餃子とラーメンのセットは、そこそこのうまさの実現という意味でとてつもなく意味がある。「みよしの」の餃子食べたいなあ、できればラーメンも一緒に食べたいな的な利用動機にドンピシャあっているわけだ。
だいたいラーメン屋の餃子は高すぎるし多すぎるんだよね。(と、これは個人的な文句だ)
札幌人のB級ソウルフード、「みよしの」の餃子があるうちは、全国チェーン「餃子の王将」も、「幸楽苑」もなかなか札幌進出は大変だろう。

ザンギとは・・・

そして、もう一つの札幌というか北海道B級ソウルフード、「ザンギ」。ザンギとは何かと言われると、味付けの濃い鳥唐揚げといえば良いのだろうが、これもローカルルールの塊みたいな食べ物で、正確に定義は難しい。特に、鳥の唐揚げと何が違うと言われるのが一番答えにくい。最近のスーパー惣菜売り場では、ザンギが売られていないことが多いようだ。売っているのは鳥の唐揚げだ。(商品名にそう書いてある) ところが北海道人の会話には、鳥の唐揚げなる単語はほとんど出現せず、だれもがザンギという。

では、北海道人は一体どこでザンギを買うのかという疑問が出てくるが、街を歩いていたらザンギ専門店を発見した。
ザンギとは、まあ、写真の通り、こんなルックスの鳥の唐揚げだ。だいたい一口サイズよりも大きい。肉量でいくと50−100gの間くらいではないか。子供のゲンコツくらいという感じだ。そして、衣は小麦粉ではなく片栗粉、澱粉が多い。(この時点で竜田揚げとの差別が難しい)下味はニンニク・生姜・醤油が基本だが、最近は塩ザンギなるものが勢いづいてきたので、醤油が必須ではない。釧路地方では、これにザンギのタレ、ザンタレという酸味の強い甘酢醤油のたれをかけることがある。これも最近じわじわ広がっているらしい。
残念ながらザンギ専門店が札幌市内にごろごろあるわけでもなく、居酒屋でもザンギに遭遇できる確率は半分くらいではないか。

それでもこの後100年ぐらいは、北海道人はザンギと言い続けることだろう。少なくとも北海道に旅行して、メニューにザンギと書かれていたら注文してみることをお勧めしておこう。

ザンギ、うまいよ。

食べ物レポート

諏訪の雷藏 名店の系譜

ラーメンチェーン店『幸楽苑』が撤退した跡地に開いていたラーメン屋が気になっていた。茅野市の町外れにあるが、昼時の駐車場はそこそこ埋まっていて、商売繁盛のようだった。気になったのは「ハルピン」の文字。諏訪インター近くのハルピンラーメンを思い出すからだ。

店内への入り口に味噌だるがたくさん並べられていて、諏訪地方の味噌蔵それぞれの味噌がある。寝かせダレというのがラーメンに使われる調整した味噌らしい。

テーブルでメニューを開けると、商品よりも味噌の説明の方が大きい。確かに味噌にこだわっているようだ。そして味噌にこだわっている職人姿のおっちゃんが、どうやらハルピンラーメンのおっちゃんらしいことがわかった。つまり、この店はハルピンラーメンの親戚というか兄弟というか、少なくとも同じ系列の店ということになる。途端に期待値が高まる。

注文したのは、もちろんスタンダードな味噌ラーメンだ。1回目の注文は、あまり気をてらったメニューには手を出さないことにしている。最近はやりの全部乗せなどには決して手を出さない。スープとラーメンが不味ければ、トッピングがいくらうまくてもダメだと思う。ましてやトッピングで腹が膨れるのは邪道という気がする。
この店の普通のラーメンだが、まずチャーシューが大きい。メンマとネギは少なめ、ソレ以外にトッピングなしということはチャーシューに自信があるのだろう。これは好感が持てる。中央に乗った味噌だれは、ハルピンラーメンに使う辛味噌ベースらしく、少しずつ溶きながら食べると良いみたいなことがメニューに書いてある。が、1/4くらい食べたら一気に溶かしてしまった。確かに、溶かしてみると辛めの味噌味にはなるが、好みに合わせてもう少し多くても良さそうだ。チャーシューもうまい。味噌の味は予想よりおとなしめだが、辛味噌との相性が良い。ガシガシと食べる味噌ラーメンだった。

長野はラーメン不毛の地などと言われていた時代が嘘のようだ。豪速球味噌ラーメン、好みであります。ハルピンラーメンと一回おきに使うことにしよう。