街を歩く

夜の新宿で路上パフォーマンス

本当に久しぶりな新宿3丁目の居酒屋での飲み会になった。コロナの間は一度も行く機会がなかったので、なんと3-4年ぶりということになる。この店は若い頃から定期的に通っていたので、一年に一度も行かなかったことなどなかったと思うのだが(記憶にない)、コロナの間はお店が閉まっていたり、夜の外出が減っていたこともあり、本当に久しぶりだ。
が、ドアを開けて店内に入れば、中はいつもと変わらない空間だった。これはありがたい。この3年の内に店ごと無くなってしまった馴染みの店は多い。東日本大震災の後も、一時的に居酒屋が閉まっていたことはあったが、ステイホームの金切り声ほどの威力はなかったからなあ。

馴染みの店で馴染みの料理を食べるというのは、実にありがたいことだ。いつもであれば、何種類かの日本酒を順番に楽しんでいくのだが、今回はホッピーを淡々と飲んだ。帰りの駅までの道をぶらぶらしてみようと思ったから酒は控えめにした。つもりだったが、それなりに量は飲んでいたから、あまり効果はなかったようだ。我ながら自堕落な……………と笑ってしまう。
やはり一人飲みの時期が長かったせいで、酒の量と時間の加減がうまく行かなくなっているようだ。一人飲みだと、自分の好みの量と時間でうまい具合に飲み終わるから、ただただぼーっとしている。あまり難しいことを考えなくなるので、怠惰な時間が流れる。すっかりそれが好きになってしまった。この「怠惰な時間耽溺症」こそが一番深刻なコロナ後遺症かもしれない。

西武新宿駅前に人だかりができていて、どうやら久々の路上パフォーマンスを見ている人たちらしい。昔と変わっているのは、周りの観客?がみんなマスクをしていること。そして、パフォーマーがマイクを使って解説していること。観客も静かで、たまにパチパチと手を叩くくらいだ。ようやく平和な時代が戻ってきましたねえ、などと思ったのだが……………
ふと気がついたのは、おひねりはどうするのだろうということだった。音楽演奏の場合は、楽器ケースの蓋が開いていて、そこにおひねりを入れることができる。このマジックショー?らしき場所では、箱も入れ物も見当たらない。
ネットのコンテンツにデジタルなおひねりを渡す仕組みができて、すっかり一般的になったのはコロナの影響だろう。リアルの世界でも、路上パフォーマンスが復活するとしたら、おひねりの投下、回収システムがいるのではないかなあ、などと軽く酔いの回った頭で考えていた。QRコードを描いたパネルでも置いて、コード支払いでおひねりみたいなことはできるかなあ。
アフターコロナの時代では今更だとは思うが、現金を受渡する仕組みは「感染拡大防止」上、好ましくない、と文句を言うのは厚生労働省で間違いない。そして、お捻りも課税対象(消費税の徴収とか)と言い出すのは財務省だ。人の不幸で金儲け、と言う言葉が頭の中でリフレインする。
いつの世も「官僚」たちは庶民の不幸を食い物にする。酔いに任せて妄想していたら、すっかり酔いが覚めてしまった。だんだん腹立たしくもなり気分は最低で、「くたばれ、〇〇省」と叫びたいくらいだった。 
(お断り:〇〇には自分のお好みの省庁名を入れてください 省庁の好き嫌いには個人の嗜好差があります)

楽しくお酒を飲んだら寄り道せずにまっすぐおうちに帰りましょう。けして〇〇省のことなど思い出してはいけません。

ソロキャンあれこれ

塩と焚き火の因果関係は深い

高知の友人から紹介されてご一緒した、中土佐町の塩職人?からのいただきもの「天日塩」で、焼き肉を食べたいと思い、焚き火で肉を焼くことにした。天日塩とは海水をお日様に当てて乾燥させるものだそうで、大鍋に入れた塩水を火を使い水分を蒸発させて作るのではないため、塩の結晶の粒が大きい。
その塩の結晶をそのまま齧ってみると、塩以外の成分が微妙な味付けをしていて、旨味や甘みを感じる。まさに自然の恵みという言葉がぴったりくる。細かいサラサラした塩化ナトリウム粒ではなく、旨みを感じる「旨塩」というべきだろう。
その天日塩は3種類があり、赤い袋は肉用だと聞かされた。肉用塩の違いは説明を受けて、その時は納得していたのだが、今では思い出せないのが残念だ。それでも、肉と合わせて食べて美味ければそれで良いだろうと開き直って試食開始だ。
単純に塩だけで食べるのであれば、安い輸入牛肉で赤身肉が良いなと思った。いつもであればオーストラリア産牛肉にするところだが、今回はちょっとお高いカナダ産牛肉にしてみた。

焚き火を始めてしばらく時間が経ち、薪が熾火に変わった頃、網焼きで肉を焼いた。そこにバラバラと赤い袋の天日塩をかけた。肉を大きめに切って頬ばる。いや、とてつもなく美味い。焼いた肉と塩だけでこんなにうまいものができるとはと感激した。
確かに、焚き火の効果もあるだろう。肉に軽く煙の匂いがついている。オキになって安定した火だから遠赤外線による効果もあるだろう。何より、肉の上で半分溶けかかった塩の結晶が、ガリっとくる歯触りが良い。
肉を切っては焼きながら、噛み締める。切って、焼いて、喰らう。その繰り返しだ。おそらくこれこそが、文明が始まる前から人類が楽しんで来た、先祖返りに近い原始のグルメだなと思う。火と塩と肉と、それがあれば荒野で人類は生き延びることができたのだ、などと軽く酔いの回った頭で感動していた。
キャンプ向けに色々な塩入スパイスが発売されているが、スパイスなしの塩だけで楽しむのも良いものだ。次は、天日塩標準版である「白い袋」の塩で焼き魚を楽しんでみようと思った。

もう一つの塩も試してみた。これは東京都目黒区にある会社が発売している「燻製塩」で、その粒度は実に細かい。いわゆるサラサラの塩だ。そのサラサラした塩に煙の匂いがついている。その燻製塩を、まだ凍っている冷凍枝豆にかける。しばし放置して、半解凍くらいになったかなというタイミングで食す。
枝豆の皮が燻製香に覆われて、実に美味なのだ。これぞお手軽クッキング(調理していないが)の至高レベルだと自負している。こだわるのであれば、冷凍枝豆は多少値段を張るものにして、「茶豆」にするのが良い。枝豆はスーパー各チェーンでNB・PB 色々発売されている。その冷凍枝豆を散々に食べ比べた結果を独断と偏見でのべると、一番のおすすめはCGCの茶豆だ。(個人的な感想です)
そして、茶豆を食べながら晩飯の用意をした。塩で肉を食らう時の必需品、米を炊く。

一人用の飯を炊くには、メスティンが便利だ。熱伝導が良いせいなのか、米を炊いてもおこげにならない。コメにこだわりはないが、無洗米にするのが便利だ。無洗米は事前に水につけておく時間を長めにとればふっくらと炊き上がる。パエリアのような炒めた後に茹で上げるコメ料理にも向いているのでキャンプ向き食材だ。
火にかけてしばらくすると、蓋の隙間から米汁がぶくぶくと沸騰して溢れてきたら火を弱めぶくぶくが止まったらメスティンに耳を近づける。パチパチ音がしたら火を止める。そのまま15分ほど放置する。以上でメスティン飯の炊き方だ。これも、ほぼ究極の手抜きメニューだと思うが、うまいものは美味い。

ちなみに、今回は白飯ではなく炊き込み飯風にアレンジした。金沢で買った能登のエビ塩をスプーン一杯ほど炊く前の米に投入する。フライパンで塩胡椒で炒めた鶏肉をその上に適当に乗せる。以上で仕込み完了。
炊き上がったら、上から白胡麻をたっぷりかける。エビの出汁が効いた白飯に鶏肉の旨みが混じる。いわば魚介と肉のWスープ状態で、米が抜群に上手くなる。炊き上がった米の上に乗っかっている鶏肉をつまみ、スパイスを追いがけして食べれば、これは絶好の酒の肴だ。名古屋が誇る味噌ソース「つけてみそ、かけてみそ」をかけて鳥味噌仕立てにするのも「あり」だろう。
焚き火飯のうまさは、こんなふうにシンプルかつ手抜きで美味いものを食べられることにある…………と思うのです。

食べ物レポート

学生食堂のような昼飯

豚天のデミグラソースがけというのは、他店で見たことも食べたこともない

自宅近くの洋食屋に行くと、ほぼ9割の確率でオムライスを食べる。残り1割がカツカレーだ。ただ、ごくごくたまに、本当にたまに浮気をして、ランチ定食を頼むことがある。ランチメニューは固定されているようで、ほぼ変わりはない。日替わりというメニューもほぼ同一メニューがローテーションしている。
その定番定食の一番目が、ハンバーグと豚天のセットだ。お値段もリーズナブルというより、とても安いというべきだろう。少なくとも近隣のラーメン屋で注文するラーメンより安い。
この定食を注文すると、キッチンから引き肉を手で叩くパンパンという音が聞こえてくる。注文が入ってから肉の準備をして焼き始めることがわかる。だから、ランチ定食なのに出てくるまでに意外と時間がかかる。(そこがまた良いのだが)
白い楕円形の皿にハンバーグと豚天が乗っているのを見ると、学生食堂で食べていたランチセットを思いだす。学生食堂のランチはランクが3段階あり、一番下のサービスランチは低価格だが、おかずが貧相だった。大盛りキャベツにコロッケ一つ、マカロニサラダみたいな感じだ。コロッケの代わりがちくわ天とか魚肉ソーセージの天ぷらだった。
真ん中のクラスは、豚肉の野菜炒めみたいなものが中心で、時々ハンバーグになることもあった。付け合わせはやはりマカロニサラダだった。一番お高いセットは、豚肉生姜焼きとかポークソテーのような肉主体のおかずに、いわゆるガロニ、色付き野菜が付け合わせでカップスープがついていた。ハンバーグと白身フライみたいな2品付きという豪華版の日もあった。
この馴染みの洋食屋のランチ定食は、まさに学生食堂ランチ最上級セットに似ている。思い返せば、最上級のランチを食べられたのは月に一度くらいだった。学生食堂なので、値段は安い。一般の飲食店と比べても半額程度だったから、毎回最上級ランチを食べていてもおかしくなかったはずなのだが。なぜか安いランチばかり食べていた。
ちなみに、当時の時給を思い出すと、1時間働けばラーメンが食べられた。ファミレスやファストフードでの食事代は、時給換算で2時間分くらいの金額だったはずだ。学生食堂は並ランチで半時間分程度だから、どう考えても上級ランチを食べられなかったはずはない。昼食をけちって、酒でも飲みに行っていたのかとも思うが、そのあたりの記憶は定かではない。
それと比べると、このランチ定食はあまりに安い気がする。品質的には最上級ランチ以上で、現在の物価を勘案した価格比で考えても、今の値付けは学生食堂で最低ランクのランチ程度だろう。あのころから随分と時間が経っているが、いまだに飲食業は厳しい世界にいるのだなと、改めて考えさせられた。

ランチセットについてくる、ちょっと小ぶりなハンバーグが今の体にはちょうど良い量だ。塩味控えめな味付けも実に好ましい。こんな料理が学生食堂で出ていたはずもないので、コスパという点では圧倒的に現在の方が優れている。そのおかげで、学生時代よりはるかにうまい料理を、財布の中身は気にせず(どちらかといえば、とてもリーズナブルに)楽しめるのは、人生長く生きてきたご褒美みたいなものかな。などと、ちょっとほろ苦い気分にな理ながら美味しくいただきました。

ソロキャンあれこれ

調味料もお試し あれこれ

一番右の木製テーブルは、ソロキャンプ(車移動)であればちょうど良い。木製なので鍋底などが熱いと、直接置いた時に焦げができる。ただ、それを避けるには100円均一店で買った木製鍋敷で十分だ。10秒で折りたためるお手軽さは抜群の使いよさだ。
左側にある二つの金属製組立てテーブルは、徒歩キャンプに行く時には軽量小型なので重宝する。場合によって木製と金属製テーブルを使い分けるのが良いだろう。特に、オートキャンプ場でサイトまで車が乗り入れられる場合は大型道具も気にならないが、駐車場からサイトまで歩いて荷物を運ぶような時はコンパクトな方が良い。
お試しで持ってきたテーブルを3個並べて、あれこれ使い道を検討していた。そして、これまた冬の間に買っていたスパイスなどの調味料をお試しすることにした。

ケイジャンスパイスはキャンプでの焼肉に万能調味料だと思っていたが、最近のキャンプブームであちこちから焼肉用スパイスが開発発売されている。宮崎のマキシ〇〇は、ステーキ用スパイスとしても有名だが、焚き火焼肉にも向いている。
その焼肉用スパイス・ブレンドで新しく見つけたのが、その名も砂丘スパイスで、名前通りに鳥取県発の製品だ。これを肉にかけて焼くのではなく、焼いた肉につけて食べてみようと思った。
個人的には大好きな熊本県産「馬刺ししょうゆ」も焚き火焼肉に外せない重要メンバーだ。これを初めて熊本で見つけたときはずいぶんと驚いた。こくというか甘さというか、自分の中にある「醤油」のイメージが変わってしまった。
今では自宅に常備する九州系醤油の筆頭だ。銀座の熊本県アンテナショップで安定的に調達できるのも嬉しい。ちなみに砂丘スパイスは新橋にある鳥取・岡山県アンテナショップで発見したものだ。

ステンの仕切り皿はB-palの付録についてきたもので、ちょっとおしゃれかも………

ケイジャンスパイスをまぶして馴染ませてから焼いた鶏もも肉は、それだけでかなり塩辛いのだが、あえてそれに馬刺し醤油と砂丘スパイスをつけて食べてみた。砂丘スパイスは予想外にマイルドだったが、砂丘の味というのはイメージしにくい。ひょっとして、スパイスの顆粒を砂丘の砂に見立てているのではないかな、などと勘ぐってしまった。鳥取県では「すなばこーひー」という前例もあるし………  試してみた結果としては、普通にうまい肉用スパイスだと思う。クセの強さで言えば宮﨑マキシ〇〇の方がはるかに強いので、やはり自分の定義としては「マイルド系スパイス」できれば春秋用といった感じか。夏は、もっとガツンと辛くてヘビーな方が良さそうだ。

燻製塩は自作もできるが、お手軽に購入するので十分

冷凍の茶豆(枝豆)は、我がソロキャンプには絶対定番のお供だが、今回は埼玉県ローカルスーパーチェーン・ベルクのPB「茶豆」をゲットした。大手スーパーでは枝豆、茶豆の袋はずいぶんと大型パックのものが多いようだが、ベルクの枝豆はその半分くらいと小ぶりなサイズだ。キャンプで食べ切るにはちょうど良い。
冷凍の枝豆を皿に開けて半解凍状態にしたところで、必殺「燻製塩」をパラパラかける。この燻製塩は、コロナの間すっかり見かけなくなっていたものだが、たまたまデパ地下で発見した。その後、都会のカルディーでも見つけたので、本格的に販売が再開されたのだろう。巷では枝豆の燻製がよくみかけるメニューになっているが、これは燻製枝豆をお手軽に実現できる便利商品だ。
パッケージの色が変わってイメージチェンジしたみたいだが、燻製香は以前と比べておとなしくなった感じもする。燻製好きであれば少し多めにかけると良さそうだ。
キャンプ飯はアウトドア雑誌に載っているダッチオーブンを使った本格料理みたいなものを目指す方も多いのだろうが、マイスタイルとしてはお手軽で非日常的な「ゆで卵の燻製」とか「フライパンで作るなんちゃってベーコン」とか「冷凍ポテトを焼いてケチャップとフライドオニオンとフライドガーリックをかけたもの」で十分だ。
色々なスパイスミックスを買ってきて味変すれば、併存な素材でも一気に野外のご馳走に変身する。食べるのは自分だけなので、自己満足さえ出来れば十分にゴージャスな料理なのであります。だから、馬刺ししょうゆとマヨネーズで生ハムを食べる、なんていうのが最高なんだなあ。

街を歩く

贈答用野菜という 知らない世界

新宿の百貨店地下の食料品売り場は、ちょっと変わった調味料を手に入れるため、時々立ち寄る。スーパーなどでは見かけることのないローカル調味料が揃っているのがありがたい。今ではすっかり珍しい「江戸の甘味噌」も売っている。徳川家康が江戸入府した時に、いろいろな職人を三河から連れてきた。その時に、岡崎の八丁味噌職人もいたようで、江戸では八丁味噌のような甘味噌が主流だったそうだ。
何年か前に読んだ料理本の受け売りなので、正確ではないかもしれない。ただ、今でも東京に一軒だけ江戸甘味噌を製造する味噌蔵が残っていて、そこの味噌が「味噌コーナー」の中で、信州味噌や仙台味噌に混ざって売られている。
この日も、その江戸甘味噌を買いに行った。ちなみに、その味噌の色目は八丁味噌よりも濃い、「黒」と形容したい濃さだ。野菜をたっぷり入れた味噌汁にすると、なかなか良い具合の色調になる。
その味噌買い出しの時に気がついたのが極太アスパラで、贈答品のような立派なパッケージに入っていた。お値段も、家庭使いにはなりそうもない。一本あたり400円程度になるので、これはアスパラが主役の料理にするしかない。添え物・副菜としてはありえない高価格品だ。ちなみに、この野菜売り場の隣が鮮魚店なのだが、そこでは冷凍の魚が一匹4-500円で売られていた。冷凍カツオたたきでもワンパック500円くらいだった。
名前通り「王様」級のアスパラだった。メロンや高級フルーツトマトが贈答品に使われるのは当たり前だが、アスパラがギフトになる時代なのかと、改めて感心した。昔、実家の庭にはアスパラが何本か植えてあり、朝方に庭に出てその日の朝食にするアスパラを何本か抜いてきた(切ってきた)ような記憶がある。アスパラとは庭に生えている?雑草の親玉くらいの感覚しかなかったから、それがギフトになるというのは違和感があるといえば「ある」のだ。
昭和は遠くになりにけりで、住宅地でアスパラを植えような習慣もすっかりなくなっているとは思うが、自宅の猫の額ほどの庭でまたアスパラを育ててみようかという気になった。
ちなみに、子供が小さい頃には教育的見地で、アスパラを2〜3年育てていた。関東でも自宅用であればアスパラ栽培は可能だし、太さや長さにこだわらなければとれたてのアスパラを美味しく食べられるのだよね。

街を歩く

西武秩父駅 夢の跡?

この冬は、秩父行きのお安い切符のおかげで何度か秩父に行った。お目当ては洋食屋だったり、漬物を買うためだったり、街をぶらぶら歩くだったりだが、夏に汗だくで歩くより冬の寒さに耐える方が余程マシだということもある。
夏に札所巡りをした時は、本当に死にそうに暑いと思ったものだ。秩父は盆地なので、夏の暑さと湿気には相当なダメージを受ける。秩父を有名にしたアニメは、夏の日の出来事がテーマだったから夏に遊びに行ってみたが、やはり街歩きの時期はもう少し涼しい時の方がおすすめだ。蝉の声に青空に入道雲的な夏光景は、画面の中で見るだけで良いと思ってしまう。

西武秩父駅の中にあった立ち飲みコーナーが改装されていて、おしゃれな角打ちになっていた。ここで酒を飲むのはどんな人たちなのだろう。西武秩父鉄道を通勤駅とするオヤジがどれくらいいるのか興味があるのだが、オヤジ達の飲み屋タイムに合わせて観察に行くのも面倒くさいというか、秩父で酒を飲んで自宅まで帰るのはちょっと遠い。おまけにヘタをすると電車の中で寝過ごしてしまい、自宅近くで降りないまま池袋まで行ってしまいそうだ。
都内で最近営業再開した立ち飲み屋もオシャレな感じになっていたが、サクッと立ち飲みというスタイルは、親父のものではなくなり、もう少し若い世代の客が増えたのかもしれない。

西武秩父駅は行き止まりの終点駅だが、この先200mも延長すれば秩父鉄道と直接つながる。その先は、荒川を渡ることで長野県南部までの延伸は可能だ。昔々は、軽井沢までつなげる計画があったというが、その路線を想像してみる。秩父の北西部に続くところは山間の隘路で、山を越えて群馬県下仁田から軽井沢に抜けるコースは相当な難工事だったのだろう。だから、このホームの先の行き止まりは、見果てぬ夢の跡という感じが漂う。終点駅というのは、どこに行っても、この残念な感覚、もう少し先まで伸びていきたかったんだぞ的な鉄道マン達の無念さみたいのがあると思うのだ。ローカル線の旅は、終点駅の旅でもあるのだね。

街を歩く

カツカレー行脚@池袋

池袋の南側、ジュンク堂の隣にある洋食店は、時々無性に行きたくなる。昔は東京東側に密集していたジロー系の洋食に似ていると思っているが、ジローはほぼ揚げ物専業店のようなところがあり、メニューバリエーションで言えば、こちらの方が数段優れているような気がする。
お気に入りの洋食屋の条件はシンプルに一つで、オムライスがうまいことだ。特に、オムライスの上に真っ赤なケチャップがかかっているのが必要条件だ。ケチャップの代わりにデミグラスソースがかかっていると残念というか、自分的には圏外扱いになる。
この店は、オムライス以外にもあれこれお気に入りの食べたいメニューが多いので、実にありがたい。大衆食堂的な洋食キッチンとしてイチオシだ。

日替わりメニューもなかなかボリュームがある構成だが、この店で日替わりを注文したことはない。定番メニューに食べたいものが多すぎて、日替わりまで注文が回っていかない。それもちょっと悲しい。オフィスがこの近くにあるサラリーマンが羨ましい。
この店の定番はオリエンタルライスという、野菜肉炒めが乗っかったライス(カレーライス的なオン・ザ・ライスなかけごはん)だが、これを頼むのも10回に一回ぐらいだろう。オムライスとカレーのヘビー・ローテーションで精一杯だ。空腹度が高い時には、追加で単品注文をすることもある。メンチカツは注文することが比較的多い。

どいつもこいつも絶対美味いに違いない 腹ペコキラーだ

カレーに限っていうと、選択肢は多くなり悩ましい。基本的にとんかつ、チキンカツ、メンチが定番のトッピングだ。たまにチキンカツ・カレーを頼むこともあるが、今日はトンカツ(ロースカツ)カレー一択だ。揚げたてのカツが、超絶的にカレールーと合う。
まずカレールーの黒さに嬉しさが込み上げる。蕎麦屋でよく出てくる黄色いカレーも、あれはあれでありだと思うが、やはりカレーは黒っぽくてドロドロしているものが美味いという気がする。ただ、これは、中学生の頃に刷り込まれた「外で食べるカレーは黒い」という呪縛から逃れられていないだけだ。
多分、黒いカレーは一人で外食した最初の経験だったはずだ。まだファストフードがおしゃれでファッションだった時代だったから、中学生にとってファストフード店は一人で入るには敷居が高く、カウンターだけのカレー屋に入ったのだと思う。もう少し時代が後であれば、ハンバーガーが一生かけて食べ続ける大好物になっていた可能性はあるが………
それ以来、ドロドロカレーは「類まれなるご馳走」として我が人生の中に記憶されているのだ。そのご馳走が、カツカレーという贅沢なものに進化するのは、その後数年が必要だったが。

この黒カレーにカツという組み合わせを改めて見てみると、何やら金沢カレーを思い出す。食器がステンレスの銀の皿に変われば、全く同じようなものではないか。金沢カレーも機会があればせっせと食べているが、このことには初めて気がついた。やはりこれは食の世界で起きた平行進化というものだろう。
似たようなものに「豆パン」とか「羊羹パン」の例がある。地理的に離れた場所で同時に生まれ進化したものらしい。それとは異なり、元祖があり、そこで修行したり、強い影響を受けて独自に開発されたメニューに「ソースカツ丼」がある。ソースカツ丼も全国各地で名物料理として名を馳せているが、どうもルーツは一箇所に同定されるようだ。
大阪でもご当地限定カレーチェーンはあり、そこもドロドロ系カレーを出すが、色味はあまり黒くない。これは、帝国海軍にルーツを持つジャパニーズ・カレーの系譜の中で、異形に進化した「なにわバージョン」らしい。カレーにソースをかけて食べるという食文化と相まって、同じ名前で違う食べ物的な楽しさがある。

この店の最大の「推しポイント」は、カレーを頼んでも豚汁がセットになっていることだ。洋食屋のはずだが、なぜか豚汁がうまいのも不思議と言えば不思議だが、これぞ大衆食堂としての洋食キッチンのプライドだと思う。一度、豚汁を大盛りにしてもらってライスだけで食べる、豚汁定食みたいな注文をしてみたいが、きっとその時はカレールー別添えにしてしまうのに違いないから、無駄な抵抗だな。

ソロキャンあれこれ

市街地キャンプ場の楽しみ方

Amazonのテントは、お手軽遊び向けでコスパ良し

NHK-BSの番組に、テントを背負って………という番組がある。大きめのリュックサックを背負って、山や海に出かける。歩いて、泊まって、翌日はまた歩く。テントの横で、簡易調理をした夕食を食べる。それだけのシンプルな構成だ。野遊び好きな人には、過不足ない満足を与えるだろう。ただ、こちらは野遊びというか、野山を歩き回りはしないノン・トレッキング派なので「いやいや、この寒い時に雪の野原を歩くとは……」とか、「低い山とは言え3時間もかけて登るのか………」などと、お気楽な感想を抱くだけな自堕落ぶりだ。
その番組内で気になっているのは登場するアウトドアギアで、NHK番組だけありブランド名がはっきりとは露出しない。そのブランド名のチラリズムを楽しんでいる。だから、わざわざ録画して何度も再生し、テントのブランド名やガスストーブのメーカー名を見つけ出しては喜んでいる。
何が言いたいかというと、アウトドアギアではブランド名が命だ(大袈裟だが)と思っているからだ。ただ、それは冬山登山のような命に関わる環境でサバイバルする時に必要な機能で、いつも遊びに行っている都市近郊のお手軽キャンプ場では全くオーバースペックというしかない。100円ショップで売っているアウトドア用具は、その点でなんちゃってキャンプにはちょうど良い仕様だと考えている。

ダイソーフライパンは、お手軽ャンプ向けにとてもおすすめ品

ダイソーで売っていた300円のアウトドア用フライパンは、まさにその典型というべき代物で、フライパンというより縁に高さがついた円形鉄板といったものだが、一人で焼肉をするには重宝する。カセットコンロに乗せるとちょっと小さいので滑りやすいが、下敷きに網を置けば全く問題はない。
何より、焚き火の上に乗せて乱暴に扱うには、お値段の安さもあり抜群にコスパが良い道具だ。付属の持ち手では短すぎて、焚き火調理には不向きだが、そこは火挟みやバーベキュー用トングを使えば難なくクリアできる。
昔々ダイソーで買った鉄のフライパンと合わせて使えば、お高いチタン製調理道具など目ではない。何度か使えば、全体にしっかり焼きが入って黒くなることを期待しているのだが、その前にサビが出てくるかもしれないなあ。

夜になると気温が下がる春先キャンプなので、焚き火で湯を沸かし熱燗にしようと持ってきたのが、ワンカップの日本酒だ。全国ブランドのワンカップはスーパーなどで簡単に手に入るが、ローカルメーカーのワンカップは銀座周辺のアンテナショップに行ったついでに調達してくる。飲んだことのない酒蔵の酒をお試しするにはちょうど良い。この時期であれば、まだ濁り酒も売っているので、飲み比べをしながら焚き火を続ける。
ソロキャンプは、当たり前だが誰とも話すことがないので、自分の周りは環境の音しかない。この時も、陽があるうちは鶯が鳴いていた。夕暮れになればカラスがやってきて大声で鳴いていた。知らない鳥の声も聞こえたが、それ以上に周辺を走るトラックの音が響いてくる。周りが音を遮るものが少ない平地なので、かなり遠くの幹線道路からの音が伝わってくる。
そして陽が沈むころには、鳥がネグラに帰るように、入間基地と横田基地に帰ってくる?輸送機の爆音が連続して20-30分ほど聞こえていた。あと何回かこのキャンプ場にくると、輸送機のエンジン音を覚えて機種が推定できるくらいになれそうだ。
戦前昭和の軍事オタク少年は、陸軍海軍の戦闘機、攻撃機などの機種のエンジン音が聞き分けられたそうだが、それに近い軍オタレベルに到達できそうだ。爆音で空を見上げると、頭の上に機体がはっきり見える低空飛行している。主翼とエンジンの取り付け位置すら確認できる。
だからと言って、それがキャンプに来て覚える楽しみではなさそうだが。

キャンプ場といえば、周りに人家もなく夜は真っ暗闇みたいなイメージがあるが、ここは意外と明るい。首都圏の郊外市街地キャンプ場では、都市の灯りが空一面に広がっているので、暗闇というより白夜的な明るさがある。その都市光を背景に浮かび上がる雑木林というのも、なかなか趣はあるものだが。これもキャンプ場の楽しみとはちょっと違う気も……………

街を歩く

唐揚げや改め蕎麦屋へ業態転換?

自宅近くのスーパーに買い物に行く途中で気がついたノボリに、なんだかあれこれ考えさせられた。この店は今や風前の灯的な、業態全体が衰亡してきている「唐揚げ専門店」だ。コロナのお手軽テイクアウト、宅配需要を受けて急成長した唐揚げ屋が、これまた急速に閉店しているのは、やはり「専門性」に欠けるありふれた味だったことと、鶏肉の値上がりを価格転嫁できないことに尽きるのだと思う。
甘とろから揚げ丼という商品は、なんとなく理解できる。唐揚げ定食の簡易版として「唐揚げ丼」がメニューにあり、そのソースバリエーションであれば「甘とろ」はアリだと思う。ただ、豚カツとカツ丼の関係が、鶏唐揚げと唐揚げ丼で成立するかと言えば、それは無理線だろう。
物性的には、トンカツが平面的な比較的薄い食べ物であるのに対し、唐揚げは球状に近い厚みのある食べ物だ。カツ丼はタレや卵とカツが絡みやすいから、白飯とのバランスが良い。簡単に言うと米とカツが同時に口の中に入る。
唐揚げを丼にすると、肉の厚みのせいで、このコメと唐揚げの一体感が作りずらい。唐揚げをひとかじりし、続いてコメを別途投入するという2段階工程になる。それをカツ丼のように、一工程で対応するとして「薄い唐揚げ」にする手はあるが、ビジュアル的にはボリューム感がなくなり厳しい。そもそも、薄い唐揚げとチキンカツの違いが微妙で、唐揚げ丼ではなくチキンカツ丼になるのではないか。唐揚げがらみであれこれ考えてしまった。
それ以上にびっくりしたのが、つけ汁蕎麦のノボリだった。唐揚げ屋から蕎麦屋に業態転換したのかと思ったほどだ。

あまりに気になって店舗の入り口まで確かめに行ったが、まだ唐揚げ屋だった。ただ、入り口脇のバナーは蕎麦になっていて、どこかで聞いたような「野菜マシマシ」なつけ蕎麦らしい。おまけに唐揚げがついているとは言え、つけ蕎麦で1000円越え(税込)とは、これまた腰が抜けるほどびっくりした。唐揚げ定食の値段を考えると、ちょっとぼったくり価格的にも見えてしまう。
蕎麦を提供するには専用の機器や什器を入れなければコストダウンは厳しい。既存の厨房を使い回し、無理やり冷凍麺を導入してなんとかメニューを広げようとしても、オペレーション的には想像以上の膨大な負荷がかかるはずだ。
以前に客席から覗き見たこの唐揚げ店の厨房(オープンキッチンなのでかなり良く中まで見える)は、よくできたコンパクトなものだった。あの中のどこに麺のラインを入れたのだろう。おそらく、冷凍麺のコストをオペレーションで吸収しきれなかったから、この値付けになってしまったのだと思うが、やはり無理があるような気がする。
そんな無理をしなければならないほど、「からあげ業態」が悪化しているのか。だとすると、このチェーンでは主力のファミレス業態を唐揚げとのWブランド化しているのも、もはや得策ではないだろう。コロナの後遺症は中小規模の飲食店より大チェーンの方が厳しいようで、このままでは年末に向けて大規模合併が起きそうだな、などとまるで他人事のような感想を持っております。いや、たしかに他人事なんですけどね。

ソロキャンあれこれ

グッズ試用で早春キャンプ

良くも悪くもAmazon品質 コスパは良いが、登山などには向かないような………

春めいてきて気温が上がった日に、のこのことキャンプに出掛けてきた。家から車で20分ほどの近場キャンプ場だが、平日は空いている。週末は予約が取れないほどの混雑ぶりらしいが、平日であれば翌日の天気を見て予約をすることもできる。当然雨の日は避けるので、タープなどの大道具は必要ない。
冬場に手に入れていたいくつかの道具のお試しも兼ねてのお気楽キャンプだったが、花粉飛散はピークを迎えているので、アウトドアには全く向いていない季節だという自覚はある。薬を用意して野外に行くというのも何だか変な話なのだが。
さて、Amazonのタイムセールで手に入れた1-2人用テントは、お値段がワークマン並みでお手軽なものだが、作りは普通で廉価版製品にありがちなチープさはない。(厳密にいえば細部のこだわりはないのだが)ただ、山登りのような厳しい環境で使用することは個人的に全くあり得ないので、これで十分だろう。今回は初めて組み立てたのでちょっと手間取ったが、テントとしては基本的な構成なので、次回以降は15分もあれば設営完了だろう。
翌日になってバラす時に気がついたが、前室あたりの結露が強い。通常であればフライ天井部分が結露の多い箇所だが、ベンチレーションの穴が空いているせいで、天井の結露はほぼない。これは、撤収時の乾燥工程が早いのでありがたい。
風も吹いていないのでペグだけ打って、ロープは張らずじまいだった。形が歪んで見えるのはそのためだ。二人寝るスペースはあるが、それを一人で使えば荷物を置くのにも困らず、天井部分が高いので閉塞感もない。携帯時のサイズもそれなりの大きさだが、車移動であれば気にならない。

キャンプ用のテーブルは組み立て式でコンパクトになっているものも多いが、値段がずいぶんなのだ。山登り用のヘビーデューティーな性能は必要ないので、ホームセンターなどでお手軽価格なものを探すと、これがまた結構簡単に壊れてしまったりする。そんなこともあり、ガーデニング用の木製折りたたみテーブルを使っていたが、ワークマンの製品が年式落ちで処分セールになっていたのでハイ・ローテーブルを一つずつ買ってみた。
大きさ、強度は十分だし、天板が金属製なので鍋などの熱いものも置ける便利さだ。組み立ては、慣れればどちらも5分はかからないだろう。ただ、個人的な感想を言えば、ローテーブルはニトリのキッチン棚(大)のステンレスフレームの方が、組み立ても簡単だし軽いので使い勝手は良いような気がする。今年のワークマン新作はなかなか良さげだが、今更テーブル入らないし。これで10年は十分に使えそうだ。良い買い物をした。

焚き火をすると予想を遥かに超える便利さだった。 魚も焼けそうだ。

某BSのキャンプ番組で毎回お馴染みの焚き火台、海外ブランドのピコ〇〇〇のインスパイア製品(コピー品は大陸製でたくさんあるが、バリ取りなどの仕上げの問題があり手を出したくない)を手に入れた。これもAmazonでは人気の商品で、タイムセールで一割引だった。Amazonのタイムセールで一割引というのは、相当強気の売り方だが、日本メーカーなのでとりあえず信頼して買ってみた。
インスアイア元の製品より重量が重いが、それ以外は見た目も似ている。焚き火台は何度か使っていると金属板が熱変性したりするので、耐久性を確認するには時間がかかる。が、値段が元製品の半分以下ということもあり、ダメになったら買い替えるくらいの気持ちで良いだろう。収納袋に収めると、A3サイズより若干小さくて、厚めのダンボール程度の幅になる。コンパクトで大変便利だ。
薪を燃やしてみても、とてよく燃える。板に開いている穴が通気口として活躍しているようだった。焚き火台の上に乗せているのはシーズニング作業中の鉄板だが、フレームに鉄板2枚乗せても強度的に全く問題ない。これは良いお買い物だった。今使っている、大型の風呂敷みたいな焚き火台はしばらく物置の中にしまっておくことになりそうだ。

かなり大型サイズでファミリー向けという感じ。 かっこいいなあ。

そんな道具のお試し実験をやっていると、隣に立派なテントが設営されていた。テントから煙突が出ているので、中ではストーブが使われているのだろう。テントから出てきたおとなりさんは半袖のTシャツ姿だったから、中は南国気分なのかもしれない。いやはや、贅沢なキャンプだ。設営はちょっと時間がかかっているようだったが、翌朝の撤収は予想外の速さでびっくりした。
ワンポールテントで、ストーブがあれば冬キャンプも問題ない。ちょっと羨ましくなったが、この手の物欲に負けると、またあれこれ大変なことになるので、見なかったことにしておこう。 と言いながら、家に帰ってきて一人用ワンポールテントをAmazonで検索していました。