
西友がトライアルに買収されて半年以上経ったあたりから、売り場が急激に変化し始めている。品数が減り、エンド陳列に大量山積みされた特売品という構図が完成したようだ。簡単にいえば絵色々と選ぶ楽しみはなくなり(まあ、ウォルマート時代からそれは消滅していたとも言えるが)、お安い一品がドカンと置かれているという感じだ。色々と選びたいのなら他の店に行ってね、という姿勢が露骨に現れている。
西友PBである「みなさんのおかげ」がだんだんと縮小しつつあり、トライアルPBに置き換わっている。
そして、いちばんの変化は声優があまり使ってこなかった「単品訴求POP」が増えてきたことだ。おまけに、一撃必殺の面白キャッチコピーで惹きつけるのではなく、雑誌記事風の長々と書いた感想文を読まされる図式だ。
九州発祥のディスカウンターであるトライアルで実証された「成功モデル」が取り入れられているということは理解できるが、ディスカウントストアーが正当に伴いバラエティーを増やしていった結果達成した店舗モデルを、バラエティー^重視?の買い周りスーパーだった西友に適用するのはなかなか大変だろう。
そもそも買い周りスーパーはすでに絶滅危惧種というほどに儲からない業態になっている。IYはすでに祖業であるイトーヨーカードーを手放しているし、イオンも従来型の大型スーパーでは利益を上げられず不動産業に転換している。地方で元気なローカルチェーンも熾烈な地域内の生存競争に勝ち抜いて、生存者利益をようやく手にしただけで、その裏側には倒産、消滅したスーパーが死屍累々と並んでいる。
だから、まだ称号として西友を残しながら、余生を過ごしている業態というのが正しい理解だろう。ちなみに埼玉で生存しているローカルスーパーは、ちょっと高い価格帯で生鮮三品を中心に安売りをしない、立地は郊外ロードサイトに展開した田舎モデルだけが生き残った。効率の良い駅前立地にこだわった西友が衰退する中、急速に成長した代表がヤオコーだ。
九州の田舎マーケットから首都圏に進出してきたトライアルと、埼玉の田舎マーケットから首都圏都心部を侵攻するヤオコーが激突する場所に住んでいると、現在の流通業のリアルが見えてくるのだなあ。
個人的な感想を言えば、トライアルのPBで優れものはフランクフルトソーセージで、バナナは西友よりお高くなったバナナはいただけない。菓子類では西友「みなさんのおかげ」がリードしているが、最近はどんどん減ってしまったので終売も近そうだ。カップ麺は西友がバリエーションと価格帯を広げすぎたので失速している感があるが、トライアルカップ麺は品種が少なすぎるか。
PBばかりになるとIYと同じように客離れを起こすと思おうし、来年は隣にヤオコーが開店するらしいので、品揃えが勝負の境目になりそうな気もする。
どちらにせよインフレの後は必ず熾烈な価格競争が始まるので、その時にはヤオコー対トライアルの大戦争になるのだろう。さて、その時に「西友」という名前は残っているのだろうか。