街を歩く

コーンのピザの苦い思い出

なぜか大手冷凍食品メーカーは手を出さないが、出せば大ヒット間違い無いと思う

ピザ屋をやっている時に、どうしても認めたくないと思っていたのが「コーンのピザ」だ。競合チェーンでは売れ筋No.1らしいとは聞いていた。その会社の社長にあった時に確かめたら、確かにそうだと言われた。普通であれば競合店で人気商品となれば、デッドコピーであっても揃えるものだ。コーンピザがないから、この店では注文しないと言われるのを避けるために仕方がない。

ただ、自分たちのピザはチーズたっぷり、トッピングがいっぱい乗っているものを目指していたので、コーンだけ、それもマヨネーズをソースがわりに使うというのはなんとも情けなく導入に抵抗があった。おまけにそれが人気商品になると単価が下がるという悩ましい問題も抱えていた。

今思い返せば、なぜそんなことにうじうじとこだわっていたのだろうと呆れてしまう。ブランドがとか、商品の差別化とはなんぞやみたいな面倒くさいことばかり考えていたのだろう。当時の自分に会えるとしたら、お前はバカだと罵倒するのは間違いない。

人気にコーンピザを売り出し、それにトッポングなどを加えてゴージャス系に進化させるとか、お子様大好きなサイドアイテムとセット化して単価を上げるとか、なんとでも対応はできる。競合を追い込む作戦の一環として何がしかは考えられたはずなのになあ。やはり年が「若さ」というのは、「バカさ」と同義かせいぜい紙一重の差でしかない。

そんなつまらんこだわりなど微塵もないであろうファミレス大手で、コーンピザを頼んでみた。言うまでもなく、まあ、普通に美味しい。自分の中のピザとはなんぞやという定義とは、確かにかけ離れているが、うまさは注文した客が決めるもので、提供側にそれを決める権利はない。おそらく「旨いと言ってくれる」と類推して、期待して商品を作っているだけだ。
シェフがずらっと揃って、どこかの店の商品をうまいまずいと論評するテレビ番組があるが、あれこそ愚の骨頂であり夜郎自大なおバカたちの遠吠えだと笑っている。この出演者たちには「うまいから売れた」という思い上がりがある。事実は「売れたものがうまいという評価を得ている」だろうに。
いくらうまいものを作ったと自慢しても、一つも売れないということは「客に支持されていない」つまり商品として不完全ということだ。ただ、残念ながら自分もそんなことに気がついたのは、マーケティングに携わって随分経ってのことだから、やはり「若さ」というのは「未経験のおバカ」ということを実践で証明していただけなのだ。

ファミレスで食べたコーンピザでそんな情けない思いをしてしまい、やはり自分に取ってコーンピザは不幸の素でしかないと、改めて実感した。

ちなみに、このピザは子供に大人気でおまけにコスパも良いので、ぜひ一度お試しください。(とい認めるののが、とても辛いなあ)

コメントを残す