
クリスマスイブの昼、友人と酒を飲むことになった。以前働いていた会社では24日に24時間ずっと働かないなど考えられない事態だった。歳をとるとそれなりに感慨深いことが起こるものだ。ちょっと早い時間だったが、池袋で昼飯を食べようと思いたどり着いたのがチェーン・ラーメン店だった。
クリスマスイブの昼に人々がどんな行動をしているのか興味があり、まずはデパ地下をのぞいて回った。いかにも豪華な料理が、これまたゴージャスな価格で売られていたが、記憶の中にあるような「凄まじいクリスマス」という感じはもはやしない。どの料理もこぢんまりとしている。高齢化社会と家族人数の減少が社会的に目に見える形で現れてきた感じがする。
そして町中華の店に入ってみればそこは客で溢れていたのだが、半分くらいが高齢者だった。これもなんとも不思議な光景だが、独居老人が増えるとクリスマスというイベントも関係ないということだろうなあ、などと一人で納得していた。

さて、いつものラーメンの代わり頼んだのが、初めての豚骨ラーメンだった。この町中華店はとてつもなくうまいものはないが、どれもそこそこ普通にうまいというのが経営方針らしい。社長がインタビューでそんなことを言っていた。だから、秘伝のラーメンとかイチオシのラーメンみたいなものは存在しない。実に町中華らしい、なんでもありなラインナップなのだが、それでも食べたことのないものはいくつかあって、とんこつラーメンはその一つだ。
食べた印象は、「薄味の博多ラーメン」かなあ。九州で食べるとんこつラーメンの濃厚さをお江戸向けの味に調整した感じだろうか。まあ、お値段を考えるとよくできている。残念なのはトッピングが全部スープの中に沈み込んでしまっていたことくらいだ。
フライドチキンもピザもアメリカナイズされた食べ物であり、チェーン店である限りは全国同じ味なのだが、町中華でも似たような現象は起きているのだなあ、などとクリスマスイブに思っておりました。マニュアル化されたラーメン調理は個性をなくすがハズレも出ないということだろう。ただ、記憶には残らない味なのも確かだ。gyカウに記憶に残りそうなことは、クリスマス・イブにラーメンを食べたこと。これが人生初めてかもしれないなあ。