
新宿紀伊國屋本店地下の飲食街がリニューアルされて随分経った。空き家だったところもほぼ全部埋まり、昔と比べると随分と印象が変わった。昔の場末感のある飲食街は好きだったのだが、今ではすっかりおしゃれ感のある店になってしまった。おまけにどの店おも大変お高くなった。お江戸でも随分と高い設定ん店が多い。
その一角に全国から選んだ名産品をテーマにしたレストランがある。なかなか面白い企画だなあと思っていたが、その店頭でこれまたなかなか意味深なポスターを見つけて、しばらくじっくりと眺めてしまった。
そもそもネギトロなどという加工品は産地を選ばないだろう、というのが第一感だった、生のマグロであれば、産地指定なりありそうだが、冷凍マグロは世界中の海で獲られている。マグロの産地表紙を魚屋でよく見ると太平洋とかインド洋とか地中海とか、まあまあ大雑把な括りでしかない。それでも問題表記にはならないのだから、水産業界はおおらかなのだ
おまけに焼津のネギトロだけ何か特殊な製法や機械を使用しているのか、それならもっとそっちを説明してほしいものだというのが第二感だった。
何だか冷凍マグロの水揚げが多い漁港で喧嘩がお競おうなフレーズだなあ、とも思うのだ。「うまいネギトロなら塩」とか、「本物ネギトロは博多ばい」とか、「銚子のネギトロは宇宙一」とか言い出しそうだ。
ポスター制作者の気持ちはわかるが、これ言って大丈夫と言いたくなる。確かにネギトロ丼好きな人には圧倒的にグイグイ迫るビジュアルではあるけど。でも、ネギトロは加工品だしなあ……………という非常に消化不良な思いを抱かせてくれた迷作ポスターでありました。
個人的には一度食べてみたいとは思いますけど。