街を歩く

2019年1月のアーカイブ

2019年の滑り出しは岩手 マルカンビル大食堂からだった

岩手県花巻市、いまでは著名大リーガーの出身地として全国的に知名度を上げているが、昔は北東北の温泉地であり、岩手にあるローカル空港の街であり、宮沢賢治の街だった。
その街に一軒の百貨店があったのだが、全国のローカルデパートと同じように経営が悪化し、ビルの老朽化による耐震基準の課題も出たことで惜しまれつつ廃業。その百貨店にあった地域の名店、大食堂が地元民の奮闘により単独で復活して、今では昭和のデパート食堂の面影を色濃く残す(いや、ほぼそのまんま)国宝的存在になっている。
そこに行く理由はいろいろあるが、苗冬にいったのかが思い出せない。JR花巻駅からは夏であれば徒歩でも行けるが、冬は足場が悪くタクシー利用するしかない。ところが、駅まで戻る時にタクシーは食堂の周りのどこにもいないのだ。
帰りの道を確保するために、食堂周辺のバス停を探して、時刻表をあらためて……………みたいな苦労をした覚えがある。確か、結局駅に戻る集うの良いバスがなくて、泣きながら歩いたはずだ。吹雪の岩手で長距離歩行は相当にしんどい。

ただ、それだけ苦労する価値はあるのだ。特に、箸で食べるソフトクリームは、体感的に三倍くらいうまく感じる。入り口に並ぶメニューサンプルを見て、食券売り場のお姉さんから食券を買い、空いている席に座りお給仕のお姉さんが来るのを待つ。食券を渡し、半券を受けとる。注文の品が届く。この流れが実に美しい。

ただ、個人的には「夏」に行く方が数段楽しいと思う。北東北だけに夏でもそれなりに涼しい。窓を開けた隙間から風が吹き込んでくるのは、エアコンの冷気より何倍も心地よい。うーん、また行きたくなってきたが季節は冬だ。やはり夏まで待った方が良いのかなあ。

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