
2019年のアーカイブ写真を見ると、一番近所にある100名城を川越まで見に行ったらしい。それまではダムカードを集めてみたリア、関東道の駅全制覇などと車であちこち動き回っていたのだが、新しいスタンプラリー対象を見つけて喜んでいた時期だ。

単に田舎の隣町だと思っていた川越が、江戸幕府治世化では交通の要衝、その前は関東に派遣を唱える北条氏と上杉氏の決戦地として政治上の要所だったと知ったのは、これ以降しばらく経ってからのことだ。
学生時代にうろ覚えにしていた日本史を改めてお勉強し直すきっかけにもなった。これまた不思議なことだが、学生時代に大嫌いだった日本史が室町戦国期を中心に実に面白いと思うようになった。明治政府が、西国諸藩の下級武士が抱く「恨み」が具現化した欠陥政権だと理解したのは、その後のことだ。
歴史をうごかすのはいつでも「飢え」と「恨み」と「怒り」なのだと、教科書に書いていないことが分かり始めた。川越城のお殿様の部屋を見ていて気がついたことだと、これは自前ののが覚えていた。
それ以外に覚えていたのは、この日川越の老舗鰻屋で鰻重を食べたことだけだ。食い意地の記憶は、本能的で強いものらしいぞ。