
昔の仕事仲間が古巣のある恵比寿の集まって、昼飲みという悪事を企んでみた。恵比寿という街は毎年あちこちが変わっていく、東京の中でも変化が激しい街だと思う。この町で10年続く店は少ないのだが、今回の店も昔は個室和食居酒屋だった。それが、随分とオープンスペースなく仕上げ居酒屋位変わっていた。
この季節にアウトドアかとも思うが、どうやら石油ストーブに当たりながら飲むのが、この都会の街の新流儀らしい。感覚的には米国西海岸的イメージなのだが、並んでいる席を見ると海の家の冬営業みたいな……………

串揚げ屋だから揚げ物を頼むのは当たり前なのだが、どうもこの串の大きさがなかなかのもので、これはちょっとお買い得な店かもしてない。まず最初は紅生姜の串揚げを注文した。紅生姜の揚げ物というのは大阪南部の下町地区で発生したものらしい。関西全域に広まっているとはいえず、お江戸に伝わったのは平成の中期くらいだろう。大阪の下町では紅生姜というものが、多少なりとも高級素材的な扱いを受けていたかららしいのだが、例えば大阪北部や神戸などでは惣菜屋でも販売されていない。
これは自分の足で関西の百貨店惣菜売り場を歩き回って確かめたから間違い無いと思う。ちなみに今では全国のあちこちで売られているし、お江戸では立ち食い蕎麦屋でも紅生姜の天ぷらとして存在する「定番」成りしたようだ。

そのあとで肉系串を注文したら、なんともすごいビジュアルで串の山が出来上がるほどだ。おまけに追加したメニューがフライドポテトという、揚げ物バンザイ状態になった。ただ、揚げ物はカロリーがとか、コレステロールがとか、あれこれうるさいことを言い出すジジイが一人になかったので、揚げ物進行になった。ソースをたっぷりつけて食べるからだろうか(一度だけ)意外と揚げ物連続でも行けるのが不思議だが。

たっぷりと飲みながら空を見上げれば、雲ひとつない青空だった。ビルの間に見える青空というのは、なかなか普段は気が付かないものだが、この日は実に気分の良い青空を見ながらのんびりした。まあ、青空を見るのはビルの谷間ではなく、山の上とかビーチとかが良い気もするけれど……………