
ラーメン屋には系列というより、暖簾分けで広がるグループが存在するようだ。日本蕎麦の世界でも暖簾分けで広がる名店網が存在するのと同じだ。薮や砂場のような100年ものの暖簾もある世界だから、日本蕎麦の暖簾分け社会は随分と広いようだ。
ではラーメン業界ではどうなるのか。お江戸界隈で最大勢力は横浜家系と言われる、吉村家から巣立って行った一群ではないかと思うのだが、個人的にはサンマ節で有名になった武蔵系を推したいところだ。
札幌ラーメンの店で言うと、やはり裾野が広いのは味噌ラーメン、すみれの系統だろう。すみれと純連は兄弟ブランドのようだが、そのどちらからも卒業生たちが濃厚味噌ラーメンの世界を広げて行った。
そのすみれ・純連系統に彩未と言う、行列のできる店がある。ここからも修行後分派の店が生まれているそうなので、もはや第三世代どころか第四世代まで生まれる時代になったみたいだ。
それぞれお弟子達は修行を終えた後に、自分なりの趣向を凝らした進化系を目指すのだから、味噌ラーメン世界は拡散と浸透を進めている。九州系とんこつラーメンにもミソは押し寄せているし、ニューウェーブの豚骨魚介Wスープ・ラーメンでもミソはもはや絶対定番となった感がある。

さて、久しぶりに小樽の街外れにあるラーメン屋に行ってみた。市場の出口に店を構える小体なラーメン屋だが、店内に入るまで味噌ラーメンではなく醤油ラーメンを食べる気満々だった。ただ、メニューを眺めているうちに、あれ? この店は確か味噌ラーメンの店だったのではと、うっすらとした記憶が戻ってきて。
結局、味噌ラーメンを注文し食べながら、ああ、この味は……………と思い出した次第。食べ進むうちに、隣の客の会話が聞こえてきて、どうやらすみれ系のラーメン屋であるらしいことがわかっった。ただし、自分の味の感じからすると、すみれではなく第二世代の彩未のような感じもする。まあ、それほど繊細な舌を持っているわけでもないし、すみれには何年も行っていないから正確に味を覚えているともいえない。
ルックスだけ見ると、味噌ラーメン(特に札幌の純蓮・すみれ系は)は見分けがつきにくいので、やはり舌の記憶に頼るしかないのだが。
ラーメン屋としては珍しい店名だなとも思う。懐かしのラーメン映画に「たんぽぽ」というラー屋が登場した。それにあやかった名前だろうか。みかんの花だから柑橘系の果物「蜜柑」なのだと思っていたが、食べているうちに「未完」と言うことかなと気がついた。
あくまで進化を続けるつもりだ、と言う店主の心意気なのだろうか、と思った次第。ありそうな話だ。そういえば、小樽には「初代」と言う名店もあった。永遠に初代の心意気を忘れないというようなお話であった(ような気がする)。小樽のラーメン屋はすごいなあ。
あちらはどうなっているのか気になってしまった。次回は初代に行ってみるか。それとも「すみれ本店」に行って味の再確認をしてみるか。うーん。悩みどころだ。