
千歳空港のレストラン街にラーメン道場という、北海道の有名ラーメン店が集まったところがある。おおよそ10店ほどがひしめいているが、行列のでき方が店ごとに変わっているのが面白い。一番長い行列ができるのはエビそばの店だが、それ以外で言うとやはり味噌ラーメン系の店舗が人気のようだ。
そして、コロナの後に起こったことだが、インバウンド目当ての値付けが尾横行している。特にこの一・二年での値上げがひどい。コロナ前はだいたいシンプルなラーメンが800円前後だったが、今では推しメニューがその倍以上という店も多い。
やたらトッピングが乗っているだけのラーメンばかりで、ラーメンの味自体はトッピングなしのものと変わりはしない。個人的にはトッピングラーメンを頼むことがないので、あまり関係あるとは言えない些細なことだが。
そのラーメン道場で、唯一行ったことのなかった店に入ってみた。すすきのの人気店らしいが、記憶にはない。おそらく新興の人気店だと思うのだが、ここ10年以上、飲んだ後の締めラーメンをしなくなったので新しいラーメン店、それも夜営業の店は知らないのだ。
とりあえず味噌ラーメンを頼んでみた。普通に美味い。ちょっとどろりとしたスープは、現在のラーメンスープのスタンダードに近いものだ。チャーシュー、メンマというサブキャラもスキがない仕上がりだった。ススキノの夜には似合っている気がする。

一番感心したのは、トッピング全部乗せ高級ラーメンではなく、普通のラーメンがこのラーメン道場の中でも比較的低め(多分下から二番目)の値付けにしてあることだ。税込表記なので、本体価格は1000円となる。この千歳空港という高家賃・高人件費の場所で営業するには、このお値段で大丈夫かと心配になる。まあ、客の心配することでもないか。
ラーメン道場の全店舗制覇して思うことが、値付けの心配とは自分でも予想できない結果だった。が、全店試してみたので評価を個人的に考え、おすすめランキングなるものを作ってみた。
意外かもしれないが、札幌味噌ラーメン系の店はランク下位になる。味はまずまずだが、メニュー構成やオペレーションに難がある。どうも人気に負けて店作りが乱暴になっている気がする。札幌以外からのラーメン店は、やはり値付けに課題があり、超トッピングもりもりにしたり(ラーメンとして意味がわからないものまで乗っている)、高級食材使用してますなど言いはり、ビックルする価格で営業している。
実はすでに閉店して代替わりしてしまったが、フードコート内にあった千歳のローカルラーメン店が一番好みだったのだよね。特にカレーラーメン。あの店がなくなったのは実に残念だなあ、などと天邪鬼なことを考えております。