街を歩く

狸小路のラーメン屋で

札幌の狸小路中心部に山岡家の店並んで立っている。オリジナルのとんこつラーメン山岡家と、味噌ラーメン、そして煮干しラーメンの三軒が連なる姿はなかなか壮観だ。
オリジナルブランド山岡家の店頭には長い行列ができているが、そのほとんどが外国人観光客のようで、日本語ではない会話が聞こえてくる。
そして不思議なのだが、なぜかラーメン店の行列なのにベビーカーが数台いる。自分の考えすぎかもしれないが、赤ちゃんを連れてラーメン屋やそば・うどんの店など、熱い汁物を提供する場所には、とても恐ろしくて入れない。どうも、この方達の安全意識というか子育てに対する危機感が、日本人とは違う次元なのだろうとしか思えない。
その長い、そして子連れの行列を見てしまうとオリジナルブランドの店に入るのは勇気がいる。ここは新コンセプト店舗である「煮干し」ラーメン店にしようかと店内を見たら、空席もある。日本人男性しかいない感じがする。並ばなくて良いらしい。
想像するに外国人観光客にとって、豚骨スープの匂いは許容できるが煮干しの匂いは許し難いものらしい。まあ、その感覚はわからないでもない。
台湾では路上に立ち込める臭豆腐の匂いに閉口したものだが、現地人の友人に言わせると、あれほど美味しそうな匂いはないのだそうだ。煮干しはその手の「臭いタンパク質臭」の発生源であり、おまけに日本独特のものだろうし。

さて、並ばずに済んだのですぐに実食できた。麺を太麺にしたのは、濃いめのスープを想定したせいなのだが、食べてみると細麺の方が良かった。スープの味を強く感じるには、細麺の方が具合がよろしい。
スープに関して豚骨ベースで魚介だしと合わせるというのは、現代の日本ラーメンではスタンダードな技法だから違和感はない。逆に普通感の方が強い。食べた感じとして、青森の煮干しラーメン有名店がこの系統だった。どうやら、この店の元になったのは、その青森の某店のような気がする。
とんこつラーメンは博多駅地下にある伝統的な博多ラーメン店と比べることにしているが、これはその博多ラーメン(My 標準)と比べて、格段にドロドロしている。濃厚であり、もう一息濃い味方向に進めば「箸が立つ」系のどろりスープになりかねない。確かにこのスープは、オリジナル山岡家でたまに見かける、スープが濃いめに仕上がる店の系譜に連なる者だろう。

メニュー写真を見るともう少しあっさり目かなと思ったが、食べてみるとコッテリ濃厚、激アツラーメンでありました。食べている最中にも、やたらと水が飲みたくなる弩級の濃い味なので、実は白飯を軽く一盛りした小ライスを注文すれば良かったなあと思った。その時はラーメンを完食できなくなるが、味のバランスとしてはコメとよく合う気がする。
ただ、この店には豚骨煮干し以外にもバリエーションがあるので、次回は違う煮干しラーメンにするか、それとも隣の味噌ラーメン山岡家にするか悩ましい。いや、そもそもオリジナル山岡家を札幌一号店に食べに行くという選択肢もあるしなあ。

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