
自宅近くの町中華チェーン店で、毎月新作メニューが登場する。その中から次代の定番を選定するという意味合いもあるようだ。これまでは季節の麺の導入が主流だた。(熱かったり冷たかったりの温度変化がほとんどで)
追加で季節・旬を意識した野菜料理が投入されてきた。だから季節商品というより販売実験的な性格なのだろうと推測している。実験が続いていた?玄米炒飯というメニューもほぼ定着してきたのだが、なんと今回はサラダが登場してきた。これは、些細な変化というより大幅な改革の先駆けという気がする。
サラダといっても、あれこれ具材をたっぷり使ったコブ・サラダのように、生野菜で主食を仕立てあげるという方向感ではない。量を見るとわかるが、これは小さめのサイドアイテムだ。ただ、火を入れ加熱するのが中華料理の基本のはずで、熱を加えない生野菜というのは中華料理としてちょっと冒険的だろう。
中華料理にも冷菜という冷たい料理のカテゴリーは存在するが、このサラダはそれとは違う趣向だと思う。新しい食材はパリパリのカタ麺だけで、それ以外の材料は既存の基本メニューから流用している。(カタ麺も季節メニューの共用?)ただし、ドレッシングは専用に開発した感じがするが。これも店内調合なのかもしれない。
ラーメンを食べる時に肉を補うものとして餃子をセットにする、という考え方が満洲の基本メニュー設計だと思う。だから麺以外の料理では野菜料理が多い。これもぎょうざのセット販売を考えているからだろう。
ところが新作のサラダの意味合いをぎょうざの代替品として考えてみると、面白いことに気がつく。そもそもこの店ではラーメン・ラインナップにあるのは、肉が乗った麺ではなく野菜が乗ったものが多い。肉料理も少ない「野菜系重視」のメニュー戦略だ。
そこにもう一段進めた野菜重視戦略というか、「脱・肉食」という新しいビジョンを試しているのではないか、と推測している。看板メニューである「ぎょうざ」を外した、新しい満洲ブランド構築、つまり「サラダの満洲」になろうとする、壮大な試みではないだろうか。
海の向こうでは、世界最大のバーガーチェーンM社が20年以上前に、バーガーの店からサラダとバーガーの店に大変革したことを思い出す。

新作サラダを試しながら、チンジャオロースーもどき(豚肉なので)と麻婆豆腐(あまり辛くない優しい味)を食べたのだが、改めて薄味であることを意識した。そんなあれこれを考えていると気がついた。満洲はは典型的な中華料理から遠く離れた、油っぽくなくて、低カロリーで、繊維質が多く、栄養バランスの取れた新しい中華料理風日常食になろうとしている気がする。
その先に待っているのは、おそらく日本最大のReady to Eatな食品製造会社なのではないか。自社工場を持つ強みを最大限に活かし、大規模店舗網を構築しながらテイクアウトシフトを強める。高齢者社会、人手不足、時短、コスパ志向の消費者性向、そんなことを掛け合わせてくると見えてくる、新しい外食ビジネスモデル。そんな気がしますねえ。ちびちびサラダを食べながらの妄想でした。
こんなことを現役時代に考えついていればなあ、今頃は……………と思ってしまう日曜の午後でもありました。