街を歩く

昔はもらっていたものだが

「ギョウジャニンニク」の醤油漬けが土産物として売られていた。なかなかよく目立つデザインでもあり、つい一瓶買ってしまった。熊笹エキス入りと書いてあるが、一体どんなものが入っているのか興味があるが、青汁みたいなものだろうか。

行者ニンニクは北海道各地で自制している。季節になると山に入って撮ってくる人も多い。昔は、札幌駅前通の一角で、ゴザを敷いて人やマイクラで売っているおばちゃんたちがいた。素人が撮りに行ってもよく見分けがつかないらしく、山のおばちゃんの良いアルバイト仕事だったらしい。そんな姿も今では見かけない。
ぼんやりとした記憶だが、北海道北見の周辺で、行者ニンニクと韮を交配させた物が栽培されているはずだ。いわゆるニンニク臭が控えめで旨味は多い。行者ニンニクは山に行って苦労しなければ手に入らないから、畑で取れるようにしたのだ。素晴らしい。しかし、結局のところ市場に出回ってはいないようで残念だ。

子供の頃は、アイヌネギと呼ばれていたが、いつの間にかポリティカルコレクションなのか、ギョウジャニンニクと呼称が変わっていた。今ではアイヌネギなどという言葉を覚えているものは高齢者だけだろう。
まあ、名前がどう変わっても、うまさに変わりがあるわけではない。が、この醤油漬けは販売されるようなものではなく、山菜鳥の名人が作った自家製を分けてもらうものだった。文化の継承とか、嗜好の変化とか、山菜採りにおけるクマ被害とか、色々なことが頭をよぎってしまう。やはり、そんな課題を解決するにはプロにより製造販売されるのが望ましいのだろうなあ。ちょっとほろ苦い気分になるが、これを肴に冷酒を一杯やれば、すべて解決しそうな気もする。

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