
旭川のもはや老舗ラーメンと言える店が札幌にも何店か視点を出している。どうやらフランチャイズの店らしいのだが、駅前通りのオフィスビル地下にある店は、昼のピークさえずらせばあまり待たされることもなく使い勝手が良い。コロナの間はなかなか苦戦していたようで、その間に夜メニューが充実したらしい。それに加えて、味違いのラーメンがいろいろと投入されたり、進化し続けるお店だ。
その進化の具合が店頭のPOPに現れているなと思う。あまりラーメンとは関わりない情報が増えているが、そこはご愛嬌というものだ。
この店の本ちゃんというか原型というか、一押しのラーメンは伝統の「塩ラーメン」だ。それは間違いない。注文しても後悔することのない定番だ。旭川ラーメンは数多くブランド店があるが、この店の豚骨系白濁スープのうまさは抜群のものだ。
ただ、醤油ラーメンもある。そして当店限定と書かれてある味噌ラーメンもある。この味噌ラーメンは今まで一度も頼んでいないので、今回は定番塩ラーメンを外して頼んでみた。

見た目は実に北海道的味噌ラーメンだ。間違いない。炒めた野菜が乗っているのが、北海道純正味噌ラーメンでありスタンダードモデルだろう。北海道味噌ラーメンはチャーシュー抜きであることが多いが、これも野菜とひき肉が炒めたものを載せるのでチャーシューなしだった。麺は旭川ラーメンの特徴である細めで腰のあるタイプなので、ちょっとあっさり系な食べ応えになる。
全体としては、味噌ラーメンとしてちょっと物足りない感じがする。普通に美味いラーメンだが、この店の限定メニューとして期待しただけにちょいと普通感がしてしまった。
老舗の新メニューを浮気してみて、結果的に定番に戻るのは、実は老舗あるあるなので全く文句はない。
ラーメン屋なのにチャーハンの方が人気があるなどという店に行くと、あえてチャーハンではなく醤油ラーメンを頼んでみて感じる、「あー。やっぱりいつもの方が良かったな」的な感覚だ。だからと言って後悔もないし、当然のようにまた同じ店に「定番で推し」なメニューを食べに来る。まあ、常連とはそんなものなのだよね。
くどいようだが、味噌ラーメン専門店で、なぜか醤油ラーメンを頼んでしまったりするのは自分の習性なので、全くお店に問題があるとも思いませんよ。そもそも味噌ラーメン専門店で醤油ラーメンがそれより美味かったりすると、それはそれでとても困るではないか。