
北の街ではローカル回転寿司チェーンがうまい寿司を食べる場所だと言われている。全国チェーンは、地元民にとって論外扱いだ。そして面白いのが、人気のチェーン店は釧路や北見という道東から進出してきた店ばかり。札幌で成功した店が全道に広がるというパターンの真逆だ。この下剋上ぶりは外食業界でも珍しい。
最近ではお江戸のあちこちにも進出し、大行列を作る店になっている。コスパというのは安さだけではないということを実践する、優良ブランドなのだ。
さて、その道東から進出してきた店に、回らない回転寿司、要するに注文したら皿に乗って握りたての鮨が出てくる「町の鮨屋」がある。
一皿に二貫乗せているのが基本だが、中には5貫セットというメニューもある。自分でもわがままだと思うのだが、「お店にお任せ」のセットには必ずと言って良いくらいサーモンが入ってくる。これがいけない。光もので言えば鯖が一番好みで、あじは良い。だが、イワシは勘弁してほしい、みたいな好き嫌いがある。なので、好きなものだけも5貫セットは、実に嬉しい。

貝だけの5貫セットも好物だ。鮑、ホタテ、ホッキが中心で時に他の貝ネタが入ってくる。これを食べる時は至福の時間だ。ラッキーな時は鮑が二貫になる。

そしてシメサバがうまい。大ぶりの切り身で、シャリとのバランスが良いのだ。今ではすっかり高級ネタに仲間入りしてしまった鯖だが、これを外すことは考えられない。
ちなみに北海道の人気回転寿司では、基本的にシメサバは自家製だ。身が柔らかい。酢の加減が柔らかい。全国チェーンとの違いは、こう言った細部の積み重ねなのだな。
ついつい食べ過ぎてしまった。

ということで、なぜか外国人観光客率が異常に高い店だが、お値段は大衆価格なので、昼の行列さえ外せば良い。夜は予約なしで行くのはちょっと危険。
品質は間違いなく立ちの鮨屋クラスだ。(握り手により多少ばらつきありますけどね)