
はっきりとした記憶はないが、おそらく過去15年ほどリアルタイムでテレビの番組を見た記憶がない。ほぼ録画したものを見ている。リアルタイムで見る時間がある時でも録画して暇な時に見る。CMを飛ばして見るためだ。
自分でCMを作る仕事をしていながら、そんな試聴の仕方をするのはいかがなものかと言われそうだが、他人の作ったCMを見るために人気番組を録画し、番組は飛ばしてCMだけ見るという業務的視聴は別にしてきた。CMを見るのは仕事の一環だったからだ。
唯一の例外は朝のNHKニュースぐらいだろうか。ただ、それも出張先のホテルで見るくらいのものだった。自宅ではほとんどニュースを見ていなかった。複数の新聞を読むので時間がなかったせいだ。
連ドラとバラエティー系の番組は見ない。ほとんど見ないではなく、全然見ない。スポーツ番組も同様に見ない。まれにサッカー・ワールドカップの試合を見た記憶はあるが、それも翌日の話題のネタとして見たくらいだ。サラリーマン、中高年オヤジ熱愛の野球、オリンピック、そして日曜午後の定番であるゴルフや競馬も全く見ない。
だから実家に戻った時、親が見ているテレビ番組に付き合わされると、これは修行だなと思ったものだ。もはやテレビ番組は家族みんなで見るものではない。個人が自己の嗜好に合わせて自分だけで見るものなのだ。
とすると、テレビがオワコンと言われる理由はよくわかる。好きな時間で好きなものだけ見ることができるyoutubeなどのネット系動画にテレビが勝てるはずもない。米国で大規模予算投入して製作される大作シリーズも、現地で見るとCMでズタズタになっている。CMの量は体感的に日本の二倍以上入っているので、米国でネット配信が主流になったのも無理はないと思う。
そういう時代だからこそ、ネット動画にCMが割り込んでくるときに感じる不快感はテレビの比ではない。CMを外すための有料サービスという、広告媒体としてはありえないオプションが生まれる原因だろう。配信動画の世界は奇々怪界というしかない。が、テレビ番組よりはマシだ。
よくみるテレビ番組リストを作ってみた
| 番組名 | 放送局 |
| 英雄たちの選択 | BS NHK |
| 歴史探偵 | NHK |
| 新・鉄道ひとり旅 | CS鉄道チャンネル・TV神奈川 |
| 飲み鉄一人旅 | BS NHK |
| ひろしのぼっちキャンプ | BS TBS |
| ひろしのひとりキャンプのすすめ | KAB・JCOM |
| 秘密のケンミンショー | 日本テレビ |
| バス旅シリーズ | テレビ東京 |
などと考えながら自分の視聴リストを改めて見返すと、いかにも中高年の偏屈オヤジっぽいなと思う。どの番組も共通する特徴がある。まず、出演者が少ない。今時の旬である芸能人はほとんど目にすることがない。鉄道・キャンプなど旅系にかたよっているが、それもソロ活動ばかり。いかに人と群れることが嫌いかというのがあからさまに見えてくる。
おそらくこの先は、ヒトの出てこない「ディスカバリーチャンネル」とか、もう死んだヒトしか出てこない「歴史チャンネル」しか見なくなるのではないか。お天気予報ですらテレビで見なくなっているし。人嫌いも極まりつつあるらしい。