
川越の繁華街を歩いていたら、見慣れた看板を見つけた。ただ、このラーメン屋は郊外のロードサイドに大型店を構えるのが標準だったはずで、いわゆる繁華街立地の店ではなかったのだかなあ。などと思ってしばらく眺めていた。
そして、この店になる前の業態を思い出した。一人焼肉店だったはずだ。某一人セルフ焼肉店がチェーン店かして全国展開を始めた後、このラーメン店を運営する会所も実験店として一人焼肉を始めた。どうやらその店を閉めて既存の成功業態へ転換したらしいのだ。
ラーメン店も競争は激しいが、実はこの川越の繁華街に競争相手になるラーメン屋はなぜか少ない。居酒屋業態は全国チェーンが全部で揃うほどの過密競争地帯だが、回転寿司やラーメンという高速回転の店が少ない。無風地帯とは言わないが50mおきに競合業態が並ぶほどでもない。(居酒屋はもっとすごい密度で出店している)
焼肉からラーメンとは、なるほどなあと思ったが、よく考えるとやはり郊外型店舗の巨大さ、目立ち方から比べると随分と小ぶりで控えめだ。この先どれくらい持ち堪えられるか、半年間隔くらいに見てみようかと思った次第であります。
首都圏で考えると、ロードサイド主体のラーメンチェーン幸楽苑に対して、駅前徒歩立地主体の日高屋が熾烈なラーメン店バトルをしている。外食業では典型的な「立地モデル」争いだろう。だから、直接行号は起きにくい。それだけに郊外型が主軸のコンセプト・業態のラーメン店が繁華街徒歩立地に出ると、相当にモデルチェンジが必要なはずなのだ。幸楽苑はそれに失敗して郊外型主体に戻って行った。日高屋も駐車場併設の大型店は諦め、駅前ちょい飲み立地に集約している。さほどに立地と業態は密接な関係がある。
なので、この暑い時期が終わったら試食をしに行ってみようかなと思っているが、郊外型の店が繁華街型の店にあれこれと調整していくの見るのは楽しみだなあ。