
羽田空港の第2ターミナルモノレール改札の横に吉野家ができて、たまに牛丼を食べる機会が増えた。自宅付近には牛飯やMはあるが、Yのつく店がないのでしばらくご無沙汰していた。都内に出るとどこにでもあると思い込んでいるので、実は牛丼屋で飯を食うことがほとんどない。ふと気がつくと一年んくらい食べていなかったりもする。
北海道から出稼ぎに出てきてそのままいついたこともあり、牛丼といえばYという刷り込みがある。当時の北海道には牛丼屋が存在していなかった。少年ジャンプで人気だったレスラーキャラの好物が牛丼であり、当時は幻の牛丼に憧れていたものだ。
その後、近くに飯屋が存在しない畑の真ん中の店舗で勤務していたため、おそらく一生分の牛丼と鳥から弁当を食べたような記憶がある。牛丼のスタンダードをその2年間で徹底的に学んだのだが、当時は汁だくなどという言葉は存在していなかった。夜の8時ごろに行くと、町と仕込みの最中に当たることが多くあり、仕込みたての牛丼の玉ねぎはシャキシャキ、仕込み直前の玉ねぎはクタクタみたいな見分け方?をしていた。仕込み前の残っているたっぷりと煮詰まった牛丼は実にうまい。これに当たるとちょっとだけ幸せを感じる。
さて、その懐かしの牛丼を再現してもらえないかと思っているのだが、最近は調理のコントロールが良いのか、煮えすぎた牛丼には当たった試しがない。実に残念だ。
ただ、今のタッチパネル式の注文ではご飯の量とつゆの量が選べる。コッテリ系のラーメン屋における注文呪文みたいなことができるのだ。そして自分専用の呪文といえば、ご飯少なめつゆ多めとなる。そうして出てきた牛丼に自分でベニ酒が大盛り、唐辛子大量投下すれば、カスタマイズ化完了だ。これだとアタマ(肉部分)と米のバランスが最適化される。普通盛りはコメが多すぎるというか肉が少なすぎるというかバランスが悪い。肉を多くするアタマ大盛りも、幾多のネット調査の結果を信じれば大盛りと言えるほど肉は増えていないそうだ。(玉ねぎは増えているらしい)
ずいぶん昔、Y社の部長さん(店長経験者)に聞いた話では、マニュアル遵守のため「つゆだくで」と言われても、「つゆだく。かしこまりました。」と返事をするだけで、実際には規定量しか入れなかったのだそうだ。マニュアル厳守時代のことらしい。今では、しっかりとつゆたっぷりになる。(自分の目で確認しました)
美味しい牛丼はカスタマイズするに限るのだよね。