
これもグーグル先生のところに残っていた夏の果物の写真。皿の上に乗っているのはマクワウリとプラムと小夏なので、おそらく8月後半、お盆過ぎあたりではないかと思う。
冬の果物といえば定番はイチゴと柑橘類だが、その柑橘類の糖度向上を狙いとして激しい新種開発競争を繰り広げた結果、今やスーパーにならぶ甘い果物の典型は「デコポン」シリーズではないかと思っている。メロンなど従来の高糖度型果物はだいぶ置き去れれて感じがする。
最近は冬に西国に行く機会が多く、現地でお安い柑橘をいろいろと試してみての感想だ。実は、四国や九州で食べる柑橘の新種は実にうまいし安い。そのうまい柑橘類が、お江戸付近まで到達していないのが残念だ。
確かこの写真に写っている小夏?は高知で仕入れたものだったかとも思う。お江戸界隈ではほとんど見かけない。似たようなもので宮崎の日向夏も目にすることは稀だ。
マクワウリも最近ではすっかり見かけることが少なくなった。ウリ系では果物の王様メロン一族が進化と拡散を繰り広げ、その糖度は20度に近づきつつあるが、そこまで甘いともはや果物では二様な気がしてくる。
それだけに、ほんのり甘いマクワウリはすっかり人気薄になり、生産数が減ったためお値段が高くなり、ますます買う人が減るという典型的な負のスパイラルに入ってしまった。
写真の時期は平成末期だったから、まだ物価は低いままで、メロン一個とマクワウリ一個がほぼ同じ値段だったはずだ。
冬の果物はすっかり高糖度なものばかりになってしまったが、夏の果物にはまだまだほのかに甘いという「純真」で「可憐」なものも多い。早く夏になってほしいなあと思うようこの頃だ。