
北海道北広島市はエスコンスタジアムが開設されて大賑わいかと思ったら、意外と地元では経済的な効果が少ないないみたいで、駅前にホテルが一軒開業したくらいだ。そのホテルの2階にフードホールという飲食施設ができたのだが、ゲームのない日は閑散としている。去年春の大騒ぎが嘘のような静けさで、住宅地の違法駐車も減ったらしい。
元の静かな街に戻ったのは良いが、たまに使っていた駅に程近いラーメン屋がやたら混み合うようになった。普通のラーメン一杯が1000円を超える値上げをしたのに昼時は客待ちになる。
どうやらエスコン見物(ゲーム観戦ではない)に行く人が増え、そのまま駅前の幹線道路の流量が増え、ラーメン屋の存在に気がつく人が増え、という連鎖効果らしいのだ。まあ、それはお店にとってはめでたいことだろう。
さて、この店の売り物が「我流味噌ラーメン」という。いわゆるどろっとした系のスープで味噌味はとても強い。美味いラーメンなので愛用しているのだが、食べるたびに「我流」とは文字通り我流で作り出したということなのかと不思議に思っていた。
ところが(個人的な探索の成果を申し上げると)、このラーメンと同系統であろうと推察するラーメン屋を3軒ほど確認している。
札幌市東区に本店がある味噌ラーメン店『Y』、札幌市清田区に本店がある『D』、そして札幌市中央区のショッピングモールにある『R』だ。同じ店で修行した仲間たちなのだろうかと勘繰っている。そして、どこの店も繁盛している。味噌ラーメンの人気はすごいなあ。
ラーメン業界は弟子入りした店で数年修行を積み、その後は独立することが多いようで、そうなると同じ店でも師弟関係とともに、兄弟子、弟弟子というもう一つの人間関係ができあがるし、独立後は師匠の師匠とのお付き合い?が始まるのではないか。まるで武家の家系図のような複雑な人間模様が生まれるみたいだ。
札幌の誇る名店「すみれ」から枝分かれしていったすみれ系味噌ラーメンファミrーなどが有名だが、この「我流ラーメン」はその流れ、ファミリー意識から離れたいという店主の思いなのかな、などと想像してしまった。俺には親もなければ子もいない。天上天下唯我独尊の危害かもしれない。だとしたらすごいな。
年に何度か食べたくなる不思議な味噌ラーメンだが、並んで待つようになるとは思わなかった。まあ、商売繁盛はめでたいことなので、こちらが待ち時間をちょっと我慢すれば良いか。