街を歩く

昔の写真から 仙台の横丁

仙台に一年半ほど仕事で通っていたことがある。仕事を終えた後、ぶらぶらと街中を歩き回りお手頃な店を見つけて晩飯兼晩酌をしていた。仙台の日本酒は美味いので、どこに行っても日本酒を頼んでいた。
仙台は東北屈指の大都市だ。当然ながら町一番の繁華街は存在するが、そういうけばけばしいところは避けていた。仙台は都心部でもあちこちに横丁が残っている文化度の高い町なので、横丁巡りを楽しんでいた。
その数ある横丁の中でも粒揃いの名店が揃っているのが「文化横丁」だと思うのだが、ここには和洋中の店が立ち並ぶ。怪しいバーや得体の知れない飲み屋?もある。仙台を代表するようなカオスぶりだ。駅前のアーケード商店街裏もだいぶ怪しい。駅の反対側というか東側の再開発地区にポツポツとある飲み屋群もだいぶ怪しい。仙台は怪しい場所だらけの楽しい街だ。


その中の一軒に餃子屋がある。中華料理店だが、来店するとほぼ全員が餃子を注文するという「専門店化」した人気店だ。夏の時期には行列もできている。何度か挑戦して行列の長さに諦めたが、冬になると行列もなくなり、ちょっと時間を早めにすればするっと入れた。

全国津々浦々、あちこちに餃子を名物にする町は多い。餃子を売り物にする中華料理店も数多い。その味は千差万別だし、肉の多い餃子、野菜の多い餃子など、一体どれが正解なのかと迷ってしまうが、全てが正解なのだろうなあ。餃子はフリースタイルな食べ物だと思う。
この店の餃子は肉と野菜のバランスが半々という感じで、肉多めの宇都宮餃子、野菜多めの浜松餃子との中間くらいだ。宮崎餃子もこんな感じだったなあ。
席について餃子以外にも何やら注文したはずだが、さっぱり記憶にない。おまけに写真も撮っていない。おそらく店内が相当混雑していて、さっさと退店したのだろうと思う。文化横丁には仙台が誇る名店「げんじ」もあるから、そちらに移動してのんびり酒を飲んでいたのかもしれない。


初夏の仙台は実に清々しい町なのだが、今年は久しぶりに仙台に行って横丁散策をしてみたいものだ。
ちなみに、北海道から埼玉への移住者である自分として思うことだが、やはり冬の北海道は雪が多すぎて住みづらい。夏の埼玉は灼熱地獄なのでやはり住みづらい。その中間点の仙台あたりであれば、夏はなんとか凌げる暑さだし、冬に雪はほとんど降らない。そのあたりで余生を過ごすのが良いのではないかと、最近は思うようになった。日本の首都もそろそろ移転しても良い頃だろう。仙台は新幹線も通っているし空港は近いし港湾施設も整っている。首都移転をするなら先代が一押しだ。
関東、特に首都圏の40度を超える暑さは人の住める環境ではないし、零下20度を超える極寒の地もやはり人の生存限界ではないか。どこでも好きなところに住めるはずだったのに、なんでそんなところに住んでいるとぼやきたくなるのも無理はない我が人生なのでありますねえ。

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