
三ヶ月に一度ほど行っている(笑)日高屋の新メニューチェックだが、実は日高屋が新メニューの投入を避けているので、すっかり足が遠のいていた。ここしばらく、日高屋は値上げとそれに伴う原価調整作業に注力していたようで、冬の定番であるもつラーメン以外、ほとんど動きがない。
小幅な値上げを繰り返しているが、他の町中華チェーン店の派手な値動きに従うことはなく、相対的に価格優位なちょい飲み中華というポジションを再度確立した感がある。安いと言われていた餃子の王将と比べても、明らかに2割程度の価格優位差がある。
一杯1000円を超えるメニューを投入してきた大手ラーメンチェーンもリピート客の減少に気がついたようで、すでに主力新商品は700円程度に戻している。つまり日高屋の政策は正しかったということだろう。
ということで、定点観測というよりしばらく間が開いた。今の日高屋はどうなっているかと確認しに行った。結論は、値段の小幅調整にとどめたことで女性客が増えたようだ。明らかに、一人で来ている女性客、それも20ー30代がずいぶん増えた感じがする。
全盛期の吉野家でも似たような現象が起きた。40代までの男性ばかりが丼をかっこんでいたところに、女子高生が突入して吉野家のジェンダー偏りは終わった。そして業績は急上昇していったが、似たようなことが日高屋でも起きている。
急激に客層が拡大しているということだ。そして、残念なことだが、日高屋らしく料理の振れ幅が大きくなってきた(もとにもどったというべきか)感じがする。爆弾炒めは元々、注文するたびに味が違う典型な日高屋商品だったが、今回はその振れ幅が過去最大級だった。辛くないのだ。ラー油を追加でかけたくらいだ。
調理の腕前のせいなのか、辛みに使っているキムチの仕様が変わったのかはわからないが。そのうち、また試してみるか。ただ、想像するに厨房スタッフの人員不足・教育不足が原因のような気がする。料理の出方も遅かったからだ。
ちなみに、日高屋は高品質志向の店ではないし、適度に美味いものを出すというのが会社の考え方だ。だから、行くたびにどのメニューを頼んでも多少味は異なるが、お値段はお安いので我慢してね的なチェーンだ。(それに文句は全くない、同意している)それを理解していれば、このあまり辛くない爆弾炒めも美味しく食べられる。

逆に一手間かけて欲しいなあ、と思うのがおつまみメンマだ。せめてサッと炒めるくらいはしてほしい。ぱらりと青ネギを散らせるくらいしてもバチは当たらないだろうと思うのだが、これも会社のポリシーを具現化するように、冷たいまんまのメンマが出てくる。卓上にあるラー油と胡椒をかけてセルフ味変するのが精一杯の抵抗だ。
まあ、この定期観察で分かったことは、日高屋にぶれはなく、ちょい飲み駅前町中華路線は変わらずに押し捲るようだ。ほとんどファストフードと言いたい提供速度の速さもある。お客さん、すいませんけどこのまままちょっとだけ値上げしました。ごめんなさいね。でも昔通りに使ってちょうだいねという路線であれば、業績安泰ではないかと思う。となると次に期待するのは、今年の夏も登場するであろう「改良型冷麺」の仕上がり具合かな。
個人的には紹興酒の炭酸割り、ドラゴンハイボールは素晴らしいドリンクメニューなので継続して販売を続けてほしい。