街を歩く

昔の写真から 仙台名物

仙台に毎月通っていた頃、仙台名物をあれこれ試していた。もちろん牛タンは何軒か試してみて、自分のお気に入り探しをした。仙台名物として一番納得したのは元祖冷やし中華だったが、これは自分の中にある冷やし中華のイメージが変わるほどのご馳走バージョンだった。
予想外に美味かったのは(おまけに安かったのは)マグロだ。塩釜、気仙沼という大漁港を後背に持つだけではなく、東北全域から魚が仙台に集まってくる。仙台は確かに海産物の美味い街だった。その中でちょっと異色だったのが「たらきく」というタラの白子だ。これが驚くほど旨くて、そしてお高い。冬の食べ物だが、街中の大衆居酒屋に行っても、これだけはそれなりにお高い食べ物だった。
そして、基本的には大衆魚と思っていた鯖が、これまたちょっと高級系な魚として扱われていた。三陸沖の鯖は高品質ということらしい。仙台は鮨屋も多く、おまけに大衆価格の店も多いので、居酒屋代わりに鮨屋に行くこともあった。が、そこでも鯖は高級魚扱いで、少なくとタイやハマチなどと肩を並べていた。
今思い返しても、仙台は日本で屈指の住みやすい街ではないだろうか。夏は東京ほど暑くない。冬は北海道ほど寒くないし雪も少ない。伊達家ゆかりの地であるのにはそれなりの意味があるのだな。

もう一つの個人的仙台名物がある。日本中どこにでもありそうだが、仙台でしか見かけたことのないメニューだ。
仙台のローカル居酒屋チェーンはマグロの旨さで人気だったが、その店で最大のお気に入りがカツカレー・ライス抜きだった。カツの厚みが厚すぎず薄すぎず絶妙なバランスなのだが、何よりカレーのルーがうまい。これはカツにかけるために作られたカレーソースというべきで、白飯と合わせ食べるように設計されていない。キャベツの千切りは箸休め的な位置付けのはずだが、実はカレーと合わせると超絶に美味い。
ああ、仙台に行きたくなった。カツカレー・ライス抜きでいっぱいやったら、文化横丁の小体な飲み屋で浦霞の熱燗……………やはり、仙台は良い街だなあ。

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