街を歩く

返してくれ

今ではファーストガンダムと呼ばれる、ガンダム第1作の初回放送を見たのは随分昔のことだ。そもそもガンダムの前作である「ダイターン3」をずっと見ていたのだが、どうやら最終回を見逃していたらしく、タイターン3の陽性キャラが出てこないで、やたら屈折したキャラがぼやいている画面に違和感を覚えていたら、なんとダイターン3よりだいぶ小ぶりな人型ロボットが登場するではないか。あれれーと思って後で新聞の番組欄を見たらタイトルが違っていることに気がついた。当時はパソコンすら存在しない時代だから情報検索の手段は極めて限られている。
確か月刊で発行されていたアニメ誌を本屋で立ち読みして、ダイターン3の終了とガンダムの開始を理解したのは随分後のことだった。
シリアスなストーリーとモビルスーツという言葉が意外と気に入って見ていたガンダムだが、毎週ビデオ録画できる時代でもなく(ビデオデッキが20万円くらいしていた)、途切れ途切れの視聴だった。のちにレンタルビデオで出回るようになり、ようやく全編通しで見ることができた。
以降、Zシリーズ、ZZシリーズは放映中に見るのではなく録画をしたりレンタルで借りたりして見続けた。個人的にはシナリオのアラが目立つと思っている。伏線を回収しないまま放映打ち切りになったファーストをはじめとして、シリーズの中でキャラの性格が変わってしまったりするのであれまあと思うことも多い。悪役と善玉が入れ替わるのも困ったものだが。それでも宇宙世紀シリーズは延々と付き合ってきたつもりだ。

渋谷の駅前の大きな看板で最新作が劇場公開中と知った。看板に近づいて読んでみた。どうやらこれはガンダム諸作の中で多用された「名前だけガンダム」なのかと思った。名前だけガンダムは意外と人気があり、実は平成のガンダムファンはこのスピンアウトガンダムの方が本物だと思っている節がある。
スピンアウトガンダムはファーストから続く宇宙世紀ガンダムとは並行世界というか別の宇宙の物語で、似通っているのは人が登場して操る巨大ロボット兵器という点と地球軌道上にある宇宙植民地だけだ。

だからモビルスーツの造形も、日本版元祖ゴ◯ラとハリウッド版ゴ◯ラ以上の差がある。この話もそうなのかと思うのだが、スターウォーズが30年かかって九部作を作って完結したと言いながら、第1作と第9作で繋がりがあるのは年老いたマーク・ハミルだけの別物語だったのと同じように、このガンダムシリーズ最新作は機動戦士ガンダムという名称だけが同じなのだなとちょっと悲しくなった。
まあ、原作者の親分はさておき、メインキャラを描いた方、マシンデザインをしている方、みなさんそろそろ引退のお年だし、誰か跡継ぎが必要なのだ。仕方がない。ただ、この最新作は観ることはないのだろうなと思う。

昔、バンダイビジュアルの関係者と話をしていた時に、実は原作者である親分が完全引退しない限りGシリーズに関してはがんじがらめで、いじくりまわせないのだと聞いたことがある。ということは、これほどの改変が起きたのだから親分は引退したのだろうか。
気になって公式サイトを調べて見たら、なんとまだ原作には名前が残っているが、脚本はあのエヴァンゲリオンの親分が噛んでいるではないか。ということは当然ドロドロした愛と憎しみ世界になるはずで……………見ないの決定だなあ。

俺のガンダム、返してくれーと海辺で叫びたい気分なのでありますよ。でもアムロもシャーもシャーのクローンとクローンの出来損ないまで死んじゃってますからね。この先やるとしたらミネバ様の物語になるしかないし、それではお話が続かないか。

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