街を歩く

味噌ラーメン屋の担々麺

昔々、ピザ屋をやっていた頃にメニュー拡張の研究として、味噌ラーメンや豚骨ラーメンを食べまくっていたことがある。生パスタを利用したスープパスタ系というか、汁だくパスタを開発しようと思っていた。
カルボナーラに代表されるクリーム系も、ベースを豆乳に変えてさっぱり濃厚という語義矛盾な商品を作ろうともしていた頃だ。その頃に、新進気鋭の急成長チェーンが味噌ラーメンの田所商店で、その本拠地である幕張まで何度も足を運んだ。家系と言われる濃厚なラーメンの拡大期でもあったが、豚骨ベースの味噌味がそれを凌ぐ勢いで急速に広がっていく時期だった。
久しぶりに幕張に来たので「味噌ラーメン」食べてみるかと思っていたら、なんと「担々麺部」という新規コンセプトの店があった。ちょいと迷ったが、次に幕張に来るのはいつになるかもわからないし、おまけに新規コンセプトの店は実験終了するとなくなってしまうことが多い。やはり、ここはお試しするしかない。

普段であればお試しメニューはその店の定番にすると決めている。だから、この店でも普通の担々麺を注文する予定だったが、テーブルにあるメニューを見るうちに気が変わった。エビ味がある。
エビ味スープといえば、札幌の名店「一幻」に尽きると思うが、それが胡麻スープの担々麺と組み合わせるとどんな味になるのだろうと興味が湧いた。
出てきたものを見て、これは担々麺の地平線にある料理だなあと思ってしまった。スープの見た目が「らしくない」。担々麺特有の表面に浮かぶ赤いラー油も見当たらない。挽肉炒めはどこに行った。あれこれ迷いながらスープを一口啜り、ああ、これは新ジャンルなのだとわかった
。なまじ担々麺一族を名乗るから誤解されるのではないか。これは明らかにエビスープ、胡麻味というべき新料理だろう。麺が太めなのはスープの味が強いからだと理解できるが、そこもよくある担々麺との違いに感じるなんだか久しぶりにすごいものを食べた気がした。

店頭にある看板?は黄色に赤で実に目立つのだが、どうも「うまさ」が上手に伝わっていない気もするが、インパクトはすごい。これを一度試してみると病みつきになる客は多いだろう。自宅近くに店ができれば、せっせと通いそうだ。

試行錯誤を繰り返しながら外食勝ち組は進化しているのだなと改めて思った次第。それと比べて我が古巣のブランドは……………

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