街を歩く

新宿で二次会をするならこんな店

新宿歌舞伎町のハズレというか区役所通りに面した雑居ビルにある店に、友人に誘われてたまに遊びに行く。コロナを挟んでこの手の商売は大変なことになっていたようで、それでもまだ営業を続けているのは女主人の甲斐性というか経営努力の賜物だろうと、いつも行くたびに敬意を抱いている。

店内は実に昭和だ。空気感というか雰囲気というか昭和50年代から平成にかけて、つまりバブルの前後はこうした店が全盛だった。当然、その頃に社会人駆け出し組だった若者も、今ではすっかりオヤジどころかジジイになっていて、この店はジジイ比率が異常に高い。(笑)

まあ、現在の飲料主体の接待業(いかにも官僚語だが、これが正しい用語らしい)業界で、標準コンセプトはキャバクラということになるのだろうが、このコンセプトはその前駆形態というのだろうか。銀座であれば「クラブ」(ただしイントネーションは頭のクにある)がその文化の担い手であり、少しクラスとかお値段が下がるとミニクラブとか言われていたものだ。関西ではザクっと丸めてラウンジとか言われているようだが。そういえば、もう少し砕けたキャバレーというのもあったが、今では消滅危惧種だろう。


同じように接待してくれる従業員がいる形態であっても、カウンター席だけであればスナック。ボックス席があればクラブといった違いがあるようだが、その境目もあいまいだ。ちなみに接待が無い形態は「バー」と呼ばれていて、渋いバーテンがいたり、妙齢のママさんがいたり、髭面のおっさんがいたりする。飲む場所というより会話を楽しむ場所がバーだという意識があるが、それに加えて「よいしょ」をして居心地良くさせてくれるのがクラブとかスナックという感じだったろうか。
カウンターに座ると、目の前にはボトルキープした日本酒の一升瓶がどんと置かれるなんてバーもあったなあ。客は運動会系のガタイの良い若者とその先輩で体型の崩れた元若者ばかりだった。女っ気はまるでなしの、運動部の部室みたいな…………… よくそんなところで酒を飲んでいたものだと、思い出すと今更ながらに呆れてしまう。

今では、ガールズバーとかイケメンバーとかいうものに呼び名も置き換わっているらしいが、中身はいつの時代でも変わりはなさそうだ。

このサロンというかクラブというか、まあ飲み物の準備をして接待してくれるところでは、乾き物やチョコレートなどをつまみに薄い水割りを2ー3杯をサクッと飲んで帰る。他愛のない話で終始するが、たまにはシリアスな商談を5分ほどでやっつける。そんな便利な場所だったのだが、今ではすっかり過去の遺産になりつつあるのが残念だ。まあ、web会議で商談をする時代にはすっかり不要な代物になっている、そんな寂しさもあるのだけれどね。

この店に20代の若者を連れてきたら、一体どう感じるのだろうか。それはちょっと知ってみたい気もする。

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