
札幌駅が新幹線開業工事中のため、駅地下にあった飲食店が閉鎖されてしまった。煽りを受けて駅前周辺の居酒屋、飯屋が混み合っている。おまけに、そこに日本語を話さない客がなぜか大量に押し寄せるようになり、実は大変迷惑している。(個人的見解です)
よく使う大衆鮨屋(まわらないやつ)も、平日昼ですら行列ができるようになった。こうなるとお店の方には申し訳ないがコロナの頃が懐かしくなる。
鮨もすっかり値が上がり、感覚的には5割増しから倍くらいまでになった。軽く寿司をつまんで酒を飲んだら3000円くらいという感覚だったが、今では5000円札でもおつりは来ない。まあ、消費者はそれなりに対抗策を立てるしかない。
握りを一人前頼むのではなく、5貫盛りを二皿頼むというのもその対応の一つだ。好みである貝握り盛り合わせと炙り5貫と組み合わせる。これに追加するとすれば、イカ・タコの軟体系とサバくらいだ。うにやいくらなどの高級ネタは不要だし、マグロのトロ・赤身にも興味はないという変形嗜好だから、まさに邪道な組み合わせだがこれに大変満足している。
隣の席にいた日本語を解さない二人連れはスマホ片手にうにだ、とろだ、サーモンだと高い値段の握りを爆食いしていた。うーん、貧乏な日本人という言葉が頭の中でこだましている。いや、好きなものを好きなだけ食うのが正しいグルメ道だと自己弁護してみるが…………

別の日に、出汁がうまいので有名というおでん屋に行った。この店は予約客で満席で、ふらりと入ってくる客全てが断られている。1時間に十組以上断られていたような気がする。おでんだし、寒い時期になると予約しなければ入れないほどの大人気になるのはわかっている。それでも入店を断られる人が多すぎて、食べているこちらが申し訳なくなる。
最初の注文は定番の大根、最近すっかりお気に入りの車麩だ。お麩は生でもうまいが、こうして煮物にするともっと旨さが増す。山形県の東部にお麩丼が有名なところがあり、そこは一度わざわざ「お麩」を仕込みに行った。肉よりうまいお麩という言葉が身に染みた。お麩は出汁との相性が抜群に良い。出汁の味を楽しむおでんネタとしても秀逸だ。
札幌の大繁盛おでん店は、ほかにも珍しい具材があるのだが、やはりお麩が一番だ(きっぱり)と思う。ただ、この日はお麩に引きずられていつものガンモやハンペンを頼むのを忘れてしまった。
次に行くときはしっかり予約をした上で、ガンモを食べに行こう。あとは昆布巻きに油揚げに入った巾着かなあ。