街を歩く

新宿花園神社 酉の市 忘年会の夜に

忘年会に呼ばれることもめっきり少なくなった。こちらの歳のせいもあるが、コロナ明けから忘年会をやる人が減っている気もする。飲みたくない酒を飲まされる忘年会の「怪しいルール」が崩れ去ったせいだろう。良い話だと思う。酒は飲みたいやつだけで飲めば良い。飲みたくないものを巻き込むのは、一種のハラスメントだ。
だから今年の忘年会は3回限り。それもごくごく少人数でのこぢんまりとしたもので終わった。実に良いことだ。第一回目は西新宿の焼き鳥屋で久しぶりの焼き鳥と焼酎の組み合わせだった。ふと気がつくと、周りの客はほとんどが30代くらいで、なんとなく客層が若返った気がする。うるさいオヤジ連中がいなくなったのと、感染症を恐れる高齢者がいなくなったのだと気がついた。おそらくおっちゃんたちは家飲みに転向しているのだと思うが、家族に迷惑をかけていないかと心配にはなる。

店を出て歩き始めたところで、本日は酉の市だと気がつき、なんと西新宿から歌舞伎町の端まで大遠足をすることになったのだが、区役所通りから先の歩道が恐ろしいほどの大渋滞を起こしている。金曜の夜という条件も重なっているのだろう。やたらと若い衆が多い。
酉の市は宗教的行事というより、庶民のイベントという色彩が強いから若い世代が集まってくるのは不思議ではないが、それにしてもこれほどの混雑を見たのは初めてだ。歩きながら缶入りのアルコール飲料を飲んでいるものも多い。お祭りに御神酒はつきものだが、飲み歩きというのはちょっとどうかなとも思う。なんだか渋谷のハロウィーン大集合と同等の扱いにされてしまったのかもしれない。

行った時間も遅かったせいで、熊手もほとんど売り切れていた。験をかついで熊手を求める人、商売人はもっと早い時間にお参りに来るのだろう。
こんな混雑している時に足を向けたのが間違いだったと後悔したが、この辺りにたどり着くまで一時間ほどかかっている。神社のお参りに並ぶといいうのもすごいことだが、明治神宮の初詣みたいなものか。結局、這々の体で逃げ出した。

花園神社の裏手には新宿ゴールデン街があり、こちらも人で溢れていた。ただ、歩いているものの大多数が日本語を話さない観光客で、実に不思議な感じがする。ゴールデン街の飲み屋はどこも小さく狭い。カウンターだけの店も多く、カウンター内の従業員と会話を楽しむというのが、この町の楽しみ方であり、ある種独特なお作法だと思う。だが、日本語が不自由では会話の楽しみが成立するのだろうか。カタコトの日本語や英語、身振り手振りで楽しむということなのか。それはそれで新しいゴールデン街の作法なのかもしれない。楽しく過ごして金さえ払えば誰でもお客さん、でいいのだろう。まさかゴールデン街が世界文化遺産として継承される……………そんなことあるわけないし。

そういえば神社の参詣客にも少なからず外国人観光客が混じっていた。明らかにイスラーム系な団体も見受けたのだが、確か砂漠の一神教では、唯一神以外の神を認めないのではなかったか。では、神社に何をしにきたのだろうとあれこれ不思議に思う新宿歌舞伎町の夜だった。

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