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セルフサービスの居酒屋

たたきのタレもまで 魚屋自家製特選タレ

足繁く通う高知県の漁師町で、魚屋の大将と二人で酒を飲むプチ忘年会をした。いつもはそれなりに混み合っている行きつけの居酒屋が、さすがに忘年会シーズンだけあり大人数パーティーがいくつも入っていて、店主が料理の注文を取れなくなっていた。とりあえず酒だけ頼のむと、魚屋の大将が何やら店主と交渉している。どうやら料理の手が回らないので、魚を持ち込むと言っているらしい。それなりの持ち込み料は払うということで決着がついた。
そして5分後、魚屋大将が自分の店からカツオ、大庄五人前を持ち込んできた。鰹の刺身と鰹のたたきのコンボだ。この一皿、居酒屋で注文すると軽く3000円は超えると思うが、とりあえずのつまみとしてはあまりに豪勢な「お通し」だった。二人で食い切れるはずもなく、最後の数切れは白飯に乗せてかってドンにしようと思ったくらいだ。これが、去年の12月、鰹のくい納め儀式となった。

おでんは大将のこのみで決まり 猟師町だからと言っておでんに鰹が登場したりはしない

鰹とお通しを食べながら、簡単に頼める料理としておでんが出てきた。というか、魚屋の対象がおでんの鍋から勝手に自分でとってきた。セルフサービスの極みだった。この日は大人数パーティーの料理が出揃ったのが二時間後、そこから自分たちの注文ができるようになったが、すでに鰹の食べ過ぎで満腹状態となり、腹にたまらないような簡単なつまみだけ注文した。これだったら、さっきでもすぐに出せた世、みたいな会話があったが、それはそれ。
セルフサービスの居酒屋というのは、案外楽しいものかもしれない。

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