
高知名物といえば、99%鰹のタタキという答えが返ってきそうだ。それくらい高知で食べる鰹は美味い、それに逆らうつもりはない。ただ、不思議なことに高知県民はカツオを食べまくるせいか、高知市内繁華街に鮨屋が少ない。ちょっとした大都市であれば繁華街には一丁おきに鮨屋があるものだが、どうも高知では少ない気がする。おまけに鮨屋のイチオシが蒸し寿司だったりする。
ありとあらゆる居酒屋、料理屋が新鮮な魚を出していることもあるし、おまけに居酒屋で握り鮨を注文する客も多い。土佐巻というカツオとニンニクを巻いた太巻は鉄火巻より人気があるみたいだし。
ただ、そんな高知の名物として個人的には推しまくりたいのが「田舎寿司」だ。基本的に野菜を煮付けたものがネタとして乗っている。鯖やアジ、白身魚の酢締めがネタになることもあるが、魚はほぼ例外だろう。
酢はゆず果汁を使っていることが多く、香り高く酢がきつめの酢飯になっている。酢飯好きなので、この田舎寿司のゆず酢飯だけ注文したいくらいだ。
写真の田舎寿司はたまたま空港売店で発見したものだが、お値段は550円とお手軽だ。高知市内で開かれる日曜市では、いくつもの店が田舎寿司を売っているが、だいたい一時間くらいで完売することが多い。朝10時くらいに日曜市に行って、とりあえず一番最初に買うものがこれだ。市場を一通り見た後で買おうとすると売り切れてしまうことも多いので、見つけたらまず最初に買うというのが、何度も市場通いをした結果として学習したことだ。
市内にあるスーパーで田舎逗子は売っているのかもしれないが、おそらく早い時間に売り切れてしまうのだろう。惣菜売り場で見つけたことがない。あのイ○ンモールですら発見できなかった。
地元では当たり前のものが、全国的には知られていないというのはケンミンショーの鉄板ネタだが、この田舎寿司がなぜ全国に広がらないのか不思議で仕方がない。ご当地名物を使った、〇〇地方・県版田舎寿司が生まれても良さそうだが。
北海道版であれば、ギョウジャニンニクの握りとかコーンかき揚げの握りとか、ポテサラとベーコンとか…………… いや、他人を当てにせず自分で作って売ってみるか。「北海道民」熱狂のよさこいソーランも、もともとは高知のよさこいのパクリだし。田舎寿司をパクっても高知の人は怒らないだろう。