街を歩く

沖縄料理 第一夜

沖縄那覇市中心部から少し離れた場所にできた「新都心」は、ちょっと沖縄離れしているまちづくりだった。沖縄離れというか、日本離れといってもよさそうだ。米国西海岸風とでも言えば良いのだろうか。町自体が歩行者を相手にしていない車移動を前提とした広々とした区画になっている。道幅の広い道路のあちこちに飲食店などが散在している感じがなんともアメリカンだ。ゆいレールの駅を降りたら生きなり免税店があったりするので、外国人観光客仕様なのだろう。

そんな一風変わった街で夕食を食べようとするとショッピングモールのレストランがフードコートが便利だが、それはちょっとなあと思い、街中を彷徨ってみた。ただ、飲食店の間の距離がそれなりにあり、みて回るだけで結構な時間がかかる。
ようやく見つけた良さげな店に入ったら、地元客と観光客が半々くらいの感じで実に賑やかだった。
沖縄といえばこれでしょうという料理もメニューの上には並んでいたが、ふと目についた料理が気になりついつい注文してしまった。イカの味噌炒めだ。沖縄でイカ量が盛んなのかどうかはわからないが、東シナ海に浮かぶ島なのだから海産物には不自由しないだろう。まさか、北海道からイカを取り寄せているはずもないだろうしとは思ったのだが。
結論から言えば、甘めの味噌で味付けされた大ぶりのイカは確かにうまい。ただ、沖縄感はあまり感じない。それでもお江戸の居酒屋で登場するこぢんまりとした皿ではなく、ドカンと盛り付けられた一皿には感動する。
野菜で増量することもなく、ドーンとイカの存在感があるのは実に素晴らしい。

やはり地元の酒をと思い泡盛を頼んだら、これまた端正な器が登場し、すぐに出てくる島豆腐の冷奴でチビチビと始めたのだが、豆腐とイカで満腹になってしまったのは計算違いだった。もう一品くらい食べてみたかったのだがなあ。ボリューム満点のサービス精神が逆に仇になった感もある。沖縄は一人飲みにはあまり優しくない土地なのだなと思った。居酒屋よりスタンド割烹みたいな小ぶりの料理を出す店を見つけなくてはなあ。

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