世間的には聖夜でございますが、すっかりその手の世俗的イベントから超越する「オヤジ族」なので、今日も平常運転であります。さて、

お城の下では11月も後半だというのに真っ赤な花が咲いていた。気温は25度、沖縄の冬は暖かい。雪のない土地で暮らしたいと思っているだけに、沖縄は理想的だ。ハワイというのも良い土地だったが、残念ながら日本語圏ではない。沖縄県も地元の言葉は難しいが、公用語?として日本語が通じる。食文化も日本食とニアリーイコール、ほぼほぼ同じだ。いや、飯という観点だけでいうと沖縄の方がより健康的で上質な気もする。

沖縄の城は琉球が統一されるまでの戦争時代に構築されたものが多いようだ。海洋国家であった琉球だけに、海の見える丘に築かれている。ただ、中世から江戸期に至るまで日本各地で築かれた戦国仕様の山城とはちょっと趣が違う。
沖縄には日本100名城、続100名城に認定された名城が5ヶ所もまるので、城好きにとってなかなか魅力的な場所でもある。ちなみに名城認定された城は、当然ながら全国に均一な分布をしているわけではない。どちらかというと戦国期の名残もあり、西国に偏っている感じはある。もちろん、日本に併合されてから日の浅い北海道でも、「アイヌ民族」の建てた城が加えらているので名城の存在しない地域はない。基本的に各県最低一城は配置されている。まあ、名城認定とは忖度の塊みたいなものだ。
沖縄では首里城、中城城、今帰仁城、座喜味城、勝連城がラインナップされている。どこも世界遺産認定地なので、資料館も併設されている。恵まれた城だ。

琉球時代の城の特徴を上げるとすれば、石垣が曲線を描いていることだろう。戦国期に築城された城の大多数は石垣を持つが、基本的には直線で構成されている。琉球の石垣は微妙なカーブを描いた曲線仕様で、それも土地の高低に合わせているのかと思ったが、そうでもない。おそらく設計思想が、大陸から入り込んだものなのだろう。

石垣に近づいてみると、積み上げたた石に窪みがあるのが見える。サンゴが固まってできた石灰岩なのだそうだ。石灰岩は加工が容易なので、整形された石が隙間なく積み上げられている。戦国初期の山城では天然石をあまり加工せず積み上げているので、隙間だらけの石垣になっているのとは大違いだ。

石垣に通用口を作りその上をアーチ状に石を積み上げるのは高度な建築技術だ。ローマ帝国時代の水道橋などではよく使われているから、技術的には大昔から知られてた技法だが、それを取り入れた建築物を日本ではほとんど見たことがない。おぼろげな記憶を辿ると長崎の眼鏡橋くらいしか覚えていない。
日本を代表する大規模建築物といえば、神社か寺だが、そのほとんどは木造だ。日本国内では石造の建築物といえばは城の石垣くらいだが、そのほとんどが直線で構成されている。おまけに、堀に囲まれているから城内への通行のために橋を渡すのだが、防衛上の観点から橋は木造になっている。(敵に攻め込まれたら橋を落とすという意図がある)
だから、石造りのアーチを見るだけでも、沖縄の城巡りは価値があるなあ。