
高知に行って時間があれば必ず立ち寄る居酒屋がある。昼から空いている使い勝手の良い店だが、当然ランチタイムにはランチセットがある定食屋になっている。その中でもいちばんの高級品がオムライスだ。これより高いメニューは店名のついた弁当、松花堂弁当っぽいものになる。それはまだ未見だが、オムライスは何度も食べている。面白いのが食べるたびに微妙に味が違うことで、おそらく何人か作り手がいるのだろう。ただ、オムライスを延々と食べ続けているとわかる程度の微妙な違いなので、一般客にはそこまでのこだわりはないと思う。
形状、使用している油、多分マーガリンの量、ケチャップの量などで味が変わる。比較的オムライスとしては薄味なので、その差がわかる。
ただし、いつでも美味しくいただいているので文句はない。

ところが、ランチメニューを食べている客の間に昼飲み、それもぐいぐい行く派が一人おきくらいに座っている。だから、席に着くと最初に聞かれるのが「飲み? 食事?」なのだ。なんとも高知らしい気がする。
今回もオムライスを注文した後に、ムラムラと飲みたい欲望が突き上がってきて、ついついぬる燗を注文してしまった。オムライスを肴に飲む日本酒は、まさに昼酒、背徳のうまさだった。

オムライスを半分ほど食べたところで、隣の客が食べている串焼き盛り合わせに目が入ってしまい誘惑に負けた。腹が大部膨らんでいるのだが、ついつい気前よく盛り合わせを頼んでしまった。
昼から個人的な大宴会モードに突入し手嶋っった、と反省。隣に座ったお姉さんが悪いのだと思う。コップ酒の後ハイボールに切り替え、オムライス小盛り(特注)と焼き鳥、湯豆腐的なフルコースを一人で楽しんでいたのに釣られてしまった。

なんとも蠱惑的な店だが、次はランチタイムは避けたほうがよさそうだ。酒を飲むならやはり夕方からが健全のような気がするし、酒付きランチはその後の午後が辛い。ちなみに、たまに平日はお休みなので来店時には注意しましょう。