
沖縄の焼き物はそのどっしりとした手触りと独特の色使いが好ましい。有田焼のような薄手で繊細な紋様を描いたものは芸術品として飾っておくが、日常遣いにするにはちょっともっったいない。その点、沖縄の焼き物は毎日の食卓に乗せたくなる質実剛健さがある。青と黒のコントラストが良いのだ。益子焼の民藝封筒はちょっと違うが、手に馴染むという点、実用性の高さは素晴らしい。

などと首里城にある土産物店兼レストランであれこれ沖縄名物を見繕いながら昼飯の算段をしていた。そこで見つけたのが味噌味の沖縄そばだった。これまで何度か沖縄そばは食べているが、味噌味は見たことも聞いたこともない。

昼のピークを過ぎていいたこともあり店内は空いていた。客席はまばらに埋まっていたが、よく見ると日本人は自分一人だけだった。なんだかなあ、すごいことだ。

メニューを見ると味噌味が全面的におすすめメニューになっている。ただ、今回の沖縄旅一食目だけに、極々スタンダードなものが食べたい。特に、名物料理の味変えバージョンには過去何度も痛い目にあっている。観光客相手の店は特にその「はずれ」率が高いから要注意なのだ。精神的安定のためにはハーフサイズを二種類頼めるようにしてくれると良いのだが。そこまでは親切でない。ちなみに、埼玉が誇る武蔵野うどんの店では、つけ汁を二種類に増やすサービスがある。たとえば、肉汁ときのこ汁とか、カレー汁と野菜汁といった具合だ。当然、つけ汁の量は半分程度になっている。あれはぜひ全国の麺屋さんに見習って欲しい。

結局、迷いに迷った末に、普通の味のソーキそばを注文した。鰹出汁の効いたシンプルなそばに、こってり系の骨付き肉を乗せたソーキそばが好物だ。三枚肉の甘辛に似たものを乗せた沖縄そばも良いが、やはりソーキの魅力には勝てない。
定番の酸っぱ辛い沖縄産チリソース??をかけて途中で味変。いや、実に満足したが、やはり味噌味が気になる。もう一回首里城に蕎麦を食いに行くしかないみたいだ。