街を歩く

沖縄ファストフード事情

11月中旬になると、かの有名な大佐が赤い装束を身にまとう。ご本人は遠い異国の地でサンタクロースの身代わりをさせられるとは思いもしなかっただろう。それでも、お江戸周辺で暮らしていると、この赤い衣装と日々寒くなっていく気温の変化が相まって、クリスマス気分が盛り上がる。(はずだ)
ところが、半袖Tシャツでも暑いような気温の街では、この冬装束には違和感以外感じない。大佐もお暑いのにご苦労様と言いたくなる。昔々、12月にシンガポール出張をした時、町中がクリスマスセールで賑わっていたのを思い出した。あの時もも、汗ばむ気温の中でクリスマスという言葉に強烈な違和感の塊になったものだ。

すぐそばの広場でもクリスマスツリーが鎮座している。夜はイルミネーションで綺麗な映えスポットだろう。しかし、この時の気温は、くどいようだが26度なのだ。なんとも言い難い……………

その沖縄県庁近くの広場でフードトラックがいくつか出張していた。そのラインナップがなんとも面白い。まず、今まで見かけたことのない「タイ料理」の店があった。青い車はナショナルカラーなのかとも思ったが、車の横にある赤、白、青のストライプがタイの国旗だから、あまり関係なさそうだ。メニューはそれなりにミオベオがあるタイ料理(多分)が並んでいた。ランチでタイ料理とは「しゃれおつ」なのだなあ。

こちらは赤い車でハンバーガーを売っていた。お値段は1000円。看板で値段を見た瞬間、ちょっと固まってしまった。お肉もりもりのタワーバーガーだからそれなりのお値段は当たり前だろうと理解はできる。
ただ、バーガーの価格が記憶の中で平成時代に固定されてしまった我が身としては、一瞬ではあるが理解不能になる。平成時代に生きたものの打破できない弊害だ。M社のハンバーガーは100円だったのだよね。時には100円に下回ることもあった。(確か80円で消費税は3%?)令和の時代は昭和生まれに厳しい。

黄色いトラックではなんとも面白いものを売っていた。これは沖縄でしか販売できないだろうし、それもこの那覇都心部でしか売れないだろうと思うものだった。

タコライスといなり寿司の合体とは、なんともユニークだ。甘い油揚げとぴりピリタコミートにねっとりとチーズが絡むとどんな味になるのだろうか。想像の域を超えている。だが、試してみる気が起きない。いなり寿司専門店では、変わり種寿司がたくさん売っているが、このタコライス・バーションは流石に見たことがない。
ただ、スパムを挟んだおにぎりが市民権を得たように、タコライスいなり寿司が全国的な人気商品になるのかもしれないとは思う。ただ、その前にもう少しタコライス人気が盛り上がる必要があるかも。
料理は合体から新しい味が生まれるものだ。今や名古屋名物として知られる「天むす」だって最初は従業員への賄い食として食べられていた裏メニューで、メジャーな食べ物とは程遠いものだった。しかし、されど、なんとも、タコいなりねえ。

お値段を見るとタコスが400円、タコいなりは3個で450円だからお得感はあるのだろうか。スーパーなどで売っている持ち帰りのいなり寿司は一個100円もしないから、いなり寿司としては少しお高いのかもしれない。
元々タコライスは沖縄生まれのメキシカン+和風のハイブリッド料理だが、それがもう一段シフトアップした感じだろうか。第二世代として変身を遂げた沖縄フードということになる。ウル○ラマンが、ウルトラ○ンタローになったくらいの変化だな、などと看板を見ながら笑ってしまった。沖縄の人たち、すごいなとしみじみ思うのでありました。

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