街を歩く

公設市場の食堂

この前沖縄に来たのはコロナの数年前だった。どうやらその間に公設市場は建て替えられたようで、外観は真新しく見える。はっきりと記憶に残ってはいないが、以前はもっとくすんだ建物だったはずだ。
市場の中は狭い通路を挟んでぎっしりと小さな店が入っている。これを一軒一軒眺めて歩くのは楽しい。はずなのだが、どうも午前中にもかかわらず、外国人観光客で占拠されている。日本人観光客との比率は9:1くらいだろう。
魚屋の店員に中国語で話しかけられてしまった。日本人とは思われなかったらしい。これにはいささか憮然としたが、自分の服装や大きなリュックサックを背負っていることからの判断らしい。「俺は日本人だ」と、数少ない「喋れる中国語」で返してやろうかとも思ったが、それも大人でないと、スルーした。おかげで沖縄のトロピカルな魚を見ることができなくなった。残念。

何人かで行けば、一階の魚屋で買ったエビやらカニやら青い魚やらを二階の食堂のどこかで調理してもらうことができる。一人で行けば難しい。ただ、どの店もオキナワンな料理は一人前から提供しているので食べるのには困らない。しかし、2回もすっかり綺麗になってしまった。以前の雑然としてちょっと薄汚れた感じが良かったのだがなあ。

二階食堂街は、ほとんどフードコートのようなものだ。厨房の前にテーブルが10卓くらい並んだ小ぶりの二階全体にぐるりと並んでいる。おおよそ10軒くらいあるが、午前中だと営業している店は半分ほどだった。これも沖縄タイムなのかもしれないなあと思いつつ、どこかで早めの昼飯にしようとしたのだが、同じことを考えているアジアン系外国人団体に、次々と先を越されてしまい食い損ねてしまった。どうやら市場の食堂はすっかり日本人向けではなくなっているみたいだ。ちょっと残念。

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