街を歩く, 旅をする

沖縄でコンベンション

沖縄に仕事で出かけることになった。おそらく7-8年ぶりだろう。那覇市から車で30分ほどのところにあるビーチ沿いにコンベンションセンターとリゾートホテルが固まった場所がある。そこで外国人バイヤー向けの商談会が開かれるというのだが。
コロナを挟みつつ10回以上開催されているようだ。個人的な感想を言えば、安倍政権時代の沖縄経済・観光の浮揚策だった感じがする。出展者の名前を見ても中小企業振興策であるようだ。沖縄の企業ばかりでなく日本のあちこちから参加している。確かに、海外向けの商談会仕様だが(実際に海外バイヤーの姿もある)が、どうも微妙に趣旨とは異なるバイヤーが多い気もする。
そもそも、なぜ沖縄で開催するのだろうという素朴な疑問も湧いてくる。それでも長く続いていくうちに少しずつ「商談会」の性格が変わっていったのだろうか。

商談会自体はイベントホールの中央にコマ割りされたブースで時間を決められて行われる。開催している間ずうっと「商談開始です」「商談終了、5分前です」「商談終了、これから休憩15分間です」と、号令がかかり続けていた。気分は小学校の運動会だ。あるいは軍隊式の訓練か……………
2階には商談に来たバイヤーたちが座っている。商談を上から眺めているのだから、プロスポーツの観覧席みたいなものか。なんとも不思議な気分になる会場だった。

コロナの影響を受けて、事前にオンラインであれこれ打ち合わせをした上で、本戦は会場でという仕組みらしい。予約時間にバイヤーがブースに来て商談というのは、歯医者の治療みたいな感じがした。ただ、どちらが患者でどちらか医師なのか。実に複雑な仕組みを考えだしたものだ。
その割に会場には支援要員が多い。それはそれで困った時にありがたいことだが、この運営費用と見合うだけの商談結果が生まれるものだろうか。官主催のイベントというのはいろいろな意味で面白いものだ。

会場に来て壁や天井からぶら下がる掲示物をみて、初めて正式名称を理解した。「大貿易会」というのだね。
ぶつぶつと書き連ねてきたが、結果としてたくさんの日本人バイヤーと話をして商売に繋がりそうな感触はあったので、これはこれで良い催し物なのだなと思う。出店者は旅費をかけてやってくるのだが、東京でも大阪でもかかる金はほぼほぼ同じだから、沖縄で開催されてもあまり違いはないか。師走間近の寒い時期だが、沖縄は暖かかったから確かにその分だけでも「良い開催地」だったとも思う。

貴重なリゾート地での体験だった。一度もビーチに行きませんでしたけど。

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