街を歩く

鳥栖の駅そば

最近、駅そばに凝っている。

長崎本線と鹿児島本線がつながるところが鳥栖駅で、乗り継ぎの待ち合わせをしているとホームにある蕎麦屋に気がついた。営業時間を確認してみたら、なんと昼しかやっていない。駅そばのかき入れ時は朝だと思っていたが、どうもこの土地ではそうでもないらしい。確かに、この駅で長崎方面に行く、あるいは久留米方面に行く乗り換え客は多いようだ。おまけに乗り継ぎにはそれなりの待ち時間がある。大都市のように待ち時間数分で接続しているわけではない。だから、昼飯の時間が商売になるということだろう。ただ、夜はどうなのだろうか、という疑問も湧いてくる。夜の乗客は空腹でもがまんして、脇目も降らずマイホームにお帰りになるのだろうか。

ネギは青ネギ 鶏肉は多分、親鳥

北部九州はうどん勢力が優勢らしいが、そこでもあえて蕎麦を注文してみた。予想通り蕎麦も麺がやわやわな感触だった。博多で食べるラーメンは麺が硬めという印象があるのだが、うどんとそばは柔らかいのが標準らしい。
いつもであればトッピングにかき揚げとか甘い油揚げをのせるのだが、今回は九州らしく「かしわ」にしてみた。見た目はなんだかボロボロの鶏肉が乗っていてビジュアル的な映えはない。が、食べてみると甘辛く煮たとり肉が実にうまい。
この甘からい鳥肉は、北東北でもあちこちで登場するが、ルーツはどこになるのだろう。九州北部と北東北で文化交流があったとも思えないが。ひょっとすると関門海峡を抜けていた北前船経由での「甘辛い鳥文化」の南北間伝承があったのかもしれない。などと、蕎麦を啜りながら考えていた。折尾のかしわめしもうまいが、秋田県大館の鳥めしも甲乙つけ難い旨さだからなあ。とり肉の旨さは全国共通だ。

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