
この人形が一時期、街から消えていた。まあ、洋菓子屋の老舗だが経営的にあれこれあり、再建途上だったことが原因だろうと思う。銀座と飯田橋にある店は健在だったが、それ以外の場所は記憶になくなってしまった。
自宅近くの駅前にも一軒あった。子供の誕生日のケーキを買った記憶はあるが、その店もいつの間にか姿を消した。
たまたま隣町に用事があり電車で出かけたのだが、その駅が再開発され新築された駅ビルの一等地、食品スーパーの入り口付近という格好の場所に新店が開いていた。
懐かしさのあまり思わずケーキを買ってしまいそうになった。確かにこの人形が立っているとよく目立つし、ケーキ屋だということが確信できる。幼い頃に刷り込まれた記憶は簡単に失われることがない。

そして、あまり時間が経っていないのに、また新しい店でこの人形を発見した。西武鉄道本拠地に開いた大型商業施設の中、高級パン屋の隣に老舗洋菓子店として開店したらしい。神戸や東京のビッグネームなケーキ屋が入っていてもおかしくない好立地だった。ぺこちゃんの復活はなんとも嬉しいものだが、今の子供達やその親世代にとって、この人形はどんなイメージがあるのだろうか。
薬屋の前に置かれていた象やカエルの人形も、もしかしたら復活してくるかもしれない。町の中に立体造形(ブランドアイコン)が溢れ出すと、それはそれで楽しい風景になりそうだ。
頑張れ、ぺこちゃん。
