街を歩く

新宿 役所飯

新宿区役所の地下に食堂があるが、ここは一般人も使用して良いというので、一度試してみたいと思っていた。ちょうど昼飯時に新宿で所用があり、これは良い機会だと役所飯に挑戦することにした。
役所飯で有名なのは練馬区の高層階レストランや足立区の本格的なディナーレストランがある。どこかの区の食堂は大衆食堂っぽくて良さげな雰囲気を醸している。

地元の市役所はコロナの中で食堂の営業をやめてしまった。コロナが終息した時に、また再開するのかと思ったら閉めっぱなしで、これが市長の政策だとしたら、こいつは長期的視点を持っていないから市長を続けてはいけない、と考えていた。案の定、去年の選挙で落選した。
そもそも小学校の教室にエアコンをつけるのを反対したクズ政治家だったから、ざまあという感じだ。ちなみに小学校にエアコンをつけるかどうかは市民投票になり、圧倒的多数でエアコン設置が決まった。その時に責任を取って辞めるかと思ったら、某県知事のようにダラダラと市長を続けていた困ったちゃんだった。その閉店してしまった市役所食堂のラーメンとチャーハンが好きだったのだよね。

さて、新宿区は東京都23区の中でも大きい区になるので、食堂はさぞかし立派なものだと思っていたが、意外と小さい。高校の学生食堂がこれくらいだったか。遠い昔の記憶だが。レストランとは違い通路以外は全てテーブルという超効率主義で作られ狭いながら100席くらいはある。普通のファミレス以上の席数だ。入り口付近にあれこれ注意書きやらおすすめやら、雑多な情報が無造作に貼られているのを見ると、ああお役所仕事だなあ、という感想になる。情報を読ませて理解させるという意識はあまり感じられない。とりあえず、言いたいことは全部言っておこう、というのが新宿区の主張のようだ。

メニューは入り口脇の壁に貼ってある。これは大変わかりやすい。入り口の手前で食券を買うので、この一面メニューの中から一品選ぶのはなかなかハードルが高いと思うが、区役所職員は常連だからメニューなど頭の中に入っているだろう。天ぷらそば→カツカレー→味噌ラーメンみたいなルーティンで利用している人も多そうだ。それであれば迷うこともない。
ただ、「お役所仕事」っぽくないメニューがあちこちに見える。ど定番のうどん蕎麦が最上段に並ぶが、中段右端にはなんと「台湾ラーメン」などという、結構キワモノっぽいメニューがあるではないか。これはだいぶ心が動かされた。その下の温玉キムチ豚丼など、まさに今、牛丼の全国チェーン店で売っていそうな旬っぽさあがある。お見それしました。

結局、食券を買ったのは、この時期そろそろ販売中止になる季節メニュー「冷やし中華」だった。麺類コーナーでは、一段お高い値付けの高級品だが、それでも六〇〇円台なのだから、一般市中価格と比べて(懐かしいな、この呼び方。国交省系のお仕事をしていた時に覚えた官制用語だ)はるかにお安い。一般市民に解放したら民業圧迫になる安さだろうにと思うが、東京都の職員だけでこのお安い価格のランチを食べていたら、それはそれで文句を言われるだろうから、一般にもひっそりと解放しているというところか。
冷やし中華のお味はごくごく普通で美味しいものだった。特別なこだわりもないが、トッピングを含めて伝統的味付けなのが一番だ。次回は、カツカレーにしようと決めた。札幌市役所と比べてどちらかうまいか楽しみだ。

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