
五十番の饅頭はどれも大ぶりでずっしりとする重さがある。ただ、チャーシューマンは二回りほど小さい。皮とアンのバランスのせいだろうか。個人的にはこの味付けの濃いチャーシューを使った中華まんは好物だ。アンの味があまじょぱいのが良いなあと思う。
肉まんでは筍などがコリコリとした固めの食感で楽しみを加えてくれる。チャーシューマンはチャーシュー自体の固さが、その食感の変化をもたらしている。
実は、この濃い味の方が肉まんよりも皮とのバランスが良いと思うのだが、ひょっとするとチャーシューマンだけ別製の皮なのかもしれない。そう思わせるほど皮とアンのバランスが良い。小ぶりなので、もう一つ食べたくなる。

二つ目は今まで食べたことのなかった緑色の饅頭で、ニラとエビの饅頭だった。皮の緑色はニラ由来のようだが、食べてみるとあまりニラは感じない。ただ、緑色の饅頭は食欲が湧かないかと思ったが、意外とそうでもない。おそらく世の中に大量に出回っている「抹茶製品」のおかげで、自分の中の食べ物と色の関係が少し乱れているようだ。

レンジアップしてから中を割ってみると、中身も緑系の色彩となっている。これもニラによるものらしい。食べてみると、確かにニラっぽい味がするし、エビの食感も楽しい。ただ、どうも味がぼやけている感じがするのは、強烈なニラの匂いを期待しすぎたせいだろう。
自分の中では、ニラレバ炒めとエビチリが合体したようなイメージがあったが、食べてみれば優しい味付けで、ほんのりとニラ、食感がえびのぷりっとした感じという、高度な芸術的バランスだった。もっと粗野な味付けでも良いのだが、やはり緑の食べ物はお上品になるらしい。

五十番の饅頭はラップで個包装になっていた。昔は経木で包まれていたような記憶があるから、いつから都会的な個包装に変わったのだろうとちょっと不思議になる。
大判の肉まんも美味いが変わり饅頭も捨てがたい。老舗の力というやつか。