
木更津といえば千葉県でも南方にある。自宅のある埼玉からは100km近い移動になるので、ほぼほぼ旅行の距離だ。仕事をしていた頃は、この辺りまでひょいひょいと出かけていた。それも朝オフィスに行って、木更津の現場を視察した後、これまた千葉のどこかで仕事をしていたのだ。それから自宅まで帰っていたのだから、仕事をしている時のバイタルというか活力は途方もないものがあったのだなあ。今回は南千葉への移動でヘトヘトになった。移動だけで疲れ切っているのだから、なんとも言えないほど活動力が落ちているようだ。次に木更津行けと言われたら(誰にだ?)、間違い無く一泊の行程にするつもりだ。

そんな木更津駅で飲み物を買いに構内の売店に入ったら、何故か弁当コーナーにご当地名物弁当が売っていた。駅弁ということではないと思うが、木更津ではローカル的に超有名な2種の弁当があり、そのうちの一つが売られていた。
コンビニ弁当の中に混じるご当地弁当は、ちょっと煌めいておりましてついつい買ってしまった。昼飯は近場の町中華で食べようと思っていたのだが、急遽修正し駅弁をベンチで食べようと思った。となると駅のベンチを探しておかなければならないし、おまけに食べた後の処理としてゴミ箱も見つけておかないといけない。
最近、鉄道各社は構内からベンチやゴミ箱をどんどん撤去している。JR東日本に至っては駅内の時計すらコスト削減と称して撤去しているらしい。今や、時計は誰でも持っているという、官僚的な独善主義らしい。
小学生低学年の子供、時計の見方を学校で習ったばかりの子どもたちの存在は、このエセ官僚たちの目には入らないらしい。鉄道は公共財という性格を持つ。彼らの私物ではないのだが、エセ官僚を気取る高給サラリーマンには社会を守る視点など存在しないのだろうなあ。いや、少しばかり怒りを発散してしまった。
というわけで木更津駅でベンチとゴミ箱を探したが発見できず(ホームにベンチはあった)、どこか公園でも探そうかと弁当をぶら下げて歩く羽目になった。

結局、この弁当を食べたのは観光都市館山のJR駅だった。そこには改札前に4-5脚のベンチがあった。ただ、よく考えると特急停車駅なのに待合室がない。開放通路に置いたベンチが待合室代わりということか。あれこれ考えさせられるベンチだった。
ちなみにJRばかり攻めると公平とは言えないかもしれないので、自宅近くの西武線について述べる。西武線もゴミ箱は無くなった。西武線はホームの時刻表も撤去している。スマホで検索できるからという理由だそうだ。ちなみに西武鉄道はすでに外資ファンドに買われているので、純日本企業とは言えないから、非日本的合理性が発揮されているのかもしれない。
他の関東私鉄、東急、小田急、東武鉄道、京急、京成などの大手鉄道会社ではゴミ箱事情はどうなのだろうか。どこも似たようなものかもしれない。確か京王だけが他の私鉄と異なる施策をあれこれを実施していたはずだがゴミ箱の数まで確認したことはないなあ。
話が横にそれ過ぎたので弁当の話に戻すと、これは焼肉弁当の変形だろう。白飯の上に敷き詰められた豚焼肉をワシワシと食べる、米主力の弁当だ。実際に食べてみると、米の量が本当に多い。良くも悪くも牛丼的な、おかずになる肉がちょっと足りないよと言いたくなる弁当だ。ただし、腹ペコの時に一気喰いするにはちょうど良い。函館ハセストのやきとり弁当と良い勝負だ。添え物的についているフライドポテトがちょっとおかしげだが。これもご愛嬌か。
きっと、肉特盛という設定もあるに違いない。木更津市民は幸せだと思う傑作弁当だった。それだけに、あの木更津駅の設備不足はなんとかならんものかなあ。