
一人で昼食を食べることになり、ふと思い立ち餃子を食べにいった。いつもの町中華でいつもの餃子なのだが、久しぶりに酢醤油で食べた。いつもは浜松スタイルの酢に胡椒という食べ方を好んでいる。
餃子という料理は店によって随分と違いがある。肉の多いもの、野菜の多いもの、それぞれ店主の思いがあるのだろうが、食べ手としてはその全てを気にいるわけでもない。いくら店主がこだわっていても、自分にとってのお気に入り餃子になるとは限らない。
個人店だからこだわり餃子がうまいかと言われると、経験的には町中華店の8割で期待が裏切られる。気にいる餃子の出現率は、おそらく2割以下だ。ただ、それはまずいというのとは違う。自分の好みではないというだけだ。(10回に1回くらいはまずい餃子に出会うのも確かだが)
普通に考えても100人いれば100通りの味の好みがあるはずで、自分がうまいと思ったものを同じように旨いと感じる人は少ないのだ。だから、料理の批評は控えることが多い。あえて言うとすれば、それも正直に感想を言えと言われると、これは自分の好みなのだよ、という程度にしている。
世の中には自分の好みを押し付けるおせっかいも多いので、自分はそうならないようにと心がけている次第だ。
長い前置きだが、この店の餃子は数ある中華チェーンの中でも安定の品質で、実はとても好みなのだ。全国区として展開する、京都や大阪発のチェーン店の餃子はどうにもチープすぎて好みではない。餃子シティーである宇都宮や浜松でもお気に入りの餃子は見つからなかった。最近、餃子消費量NO1になった宮崎は例外で、宮崎餃子を代表する餃子ブランドは大好物だ。が、とても手に入りにくい。現地に行っても午前中に手に入れないといけない。それも生餃子なのだ。東京に持って帰る時間を考えると、実に難度が高い。でも、いつも買ってしまう。
高知の屋台餃子屋は飲みにいくには楽しいが、そこの餃子は大好物というほど気に入っているわけではない。ホームタウン札幌では誰もが知っているローカル餃子チェーンがファミレススタイルで展開している。餃子を食べるには便利な町なのだ。ここも懐かしくなり、たまに食べにいくが、実は懐かしさ成分たっぷりなだけで、うまさという点ではちょっと残念なレベルだ。ただし、カレーと餃子を合わせると、掛け算で旨く感じる不思議な餃子でもある。

などと餃子のあれこれを考えながら一皿完食したが、ちょっと満腹には足りない。この店名物のW餃子定食が存在する意味がよくわかる。なので、夏の推しメニューである茄子味噌炒めを追加した。熱々のナスに濃厚な味噌味、これは確かに夏の食べ物だ。麻婆茄子も好きだが、やはり茄子は味噌炒めが良い。過剰に思える油も、夏であればスタミナの素と自分を誤魔化せる。
やはり夏には濃いめの味付けで野菜をたっぷり食べるのが良い。足りないタンパク質は餃子で補える。ナス料理でちょっと残念なのは、高知の茄子料理「なすたたき」が高知以外では食べられないことだ。もし「なすたたき」がたべられれば、なすたたきの上に鰹のタタキを乗せて夏の完全食になると思うのだがなあ。