
個人的な意見だが、大阪万博については否定的だ。使い勝手の悪い埋立地を万博開催を理由にして、国の金も突っ込み土地改良してしまおうという魂胆が透けて見える。自分の金ではなく、他地域の人の金を使いその整備された「良い場所」にカジノをたてるという構想が、なんともいやらしい。カジノをたてたいなら自分で金を用意しろよと言いたい。
ただこの構図は大阪だけではなく、すでに終わった東京オリンピックでも大掛かりに行われた。代々木の国立競技場をめぐる一件では首相自ら動き、管轄の文科省から権限を取り上げるという豪腕ぶりで解決したのだから、政府が大阪府を批判できるはずもない。
同じように、国民みんなに金を出してもらって老朽化した地域インフラを建て直そうとした札幌オリンピック誘致活動が破綻したのは、東京、大阪と続くこのバカっぽいイベント開催型事業の裏側が見えてしまったからだろう。
札幌市ではオリンピックをあてにしていた施設建て替えの費用捻出で大騒ぎになっている。大阪では計画より大幅に増えた事業資金の後始末で、また大揉めするだろう。
その大阪万博を象徴するのが例の木造「リング」だが、あれは会期が終わると倒壊の危険があるため解体して燃やすようだ。木材の再利用は難しいらしい。壮大な燃えるゴミの集積物とは、なんとも気前の良いことだ。
その「リング」の縮小モデルを池袋で発見した。これを見て頭の中で大阪のリングを想像してみた。やはりなんだかバカっぽい気がする。壮大な建造物は人を畏怖させる物だ。例えば東大寺に行くとあの仏像とあいまりなにやらありがたみを感じる。出雲大社で本殿を見るとすごい物だと感動する。スカイツリーを下から見上げれば、良くぞ人がこのようなものを作り上げたと感心する。
さて、大阪にできる大きな燃えるゴミはどんな感動を呼ぶのだろうか。まあ、万博見物に行くつもりもないので実体験することはないだろう。せめて池袋のリングを見て想像してみるかと思ったが、あまりにもばかばかしいのでやめてしまった。池袋駅西口出てすぐの公園にあるリングは、なかなかイメージを膨らませてくれる良い建造物だった。