食べ物レポート

ういろう 西のもの

テレビの旅番組を見ていて、山口県の土産物特集で気になったものがいくつかある。そのときに鮮烈な印象を受けたものが、「ういろう」だった。ういろうといえば名古屋名物みたいな印象があるが、山口のういろうはちょっと違うぞと力説されていた。その違うぞという記憶だけが残っていて、その違いが何だったのか覚えていない。
そこで今回は「山口ういろう」を手に入れようと気合を入れてみたのだが、実物を見てしまうと何だか気が漏れていく。
というのも、この山口ういろうの有名商品らしきものは、コンビニでもスーパーでも売っていた。日常食とまでは言わないが、県内では肉まん、あんまん程度の普通な食べ物らしい。

名古屋のういろうは羊羹サイズで売っているものが多いが、山口ういろうは一口サイズのようだ。確かにこれは食べやすくてありがたい。

開封してみたら、どうも見慣れたルックスではないか。ちょっとなめらかというか透明感の強い羊羹的な見え方がする。食べてみると、硬めの水羊羹っぽい甘さ控えめなものだった。うーん、これが名古屋ういろうとどう違うのか、よくわからない。
知識が足りないと「食品」の理解ができないという典型例だった。事前に研究しておかないといけない土産物らしい。先入観がありすぎると評価が変わるが、先入観がなさすぎると評価ができない。これまた、何とも貴重な経験だった。

ちなみに地域名物のヒット商品は、意外と他産地の名物のコピー品であることが多い。お互いにコピーし合っているせいか、オリジナルの地があやふやになっていることもある。


ういろう萩の月と鎌倉カスターはどちらが最初なのだろうみたいな疑問だ。あのふわふわ系洋風まんじゅうは全国各地で増殖、繁殖、進化を繰り返し、今や亜種、発展種が百花繚乱状態だ。それと比べれば名古屋ういろうと山口ういろうは、ほぼ兄弟みたいなものだろう。もう少し研究してみるか………と思ったがやめておくことにする。たべてみてあらためておもったのだが、自分はそれほどういろう好きではないらしい。

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