街を歩く

久しぶりの狸小路散歩

誰でもわかる立体感版

桜の季節にはまだ早い札幌で、外国人観光客が溢れると思っていた狸小路ががら空きだった。どうも、インバウンドな観光客は桜を求めて南下しているらしい。街の中が静かでありがたい。
以前も書いたことだが、札幌駅周辺が新幹線乗り入れのための改良工事と称して大閉店している。昼も夜も飲食店が超満員だ。そこから玉突きで狸小路界隈まで外国人観光客がうろついているのだが、英語メニューなど置きもしない「堅物」店舗も多いので、ちょっと渋めの店だと外国人がいない(入れない)ことも多い。
オーバーツーリズムに関して、現場の意見を拾うメディアは少ないが、店主からは基本的に歓迎勧される。単純に客数が増えるからで客に日本人も外国人も関係ない。払ってくれる金が円である限りだが。
マナーや接客の面倒から、現場の従業員は否定的な意見が多い。要は、面倒臭い客で、たまにキレてくる厄介者が多いからだろう。できることであれば「日本人限定」と張り出したいくらいの肌感覚の従業員も多いようだ。経営者と従業員の意識ギャップを放置して置けるほど、飲食業は人手が足りているとは思えないのだが。
狸小路を歩きながらそんなことを考えていた。たまたまなのか、何とびっくりな立て看板を見つけた。日本人向けではないらしい。日本語は僅少だった。何というか、中途半端な……………
個人的にはこの店には入りたくないぞ。とも思わせる不思議看板だった。

カフェといえば、その近くには最近閉店してしまった老舗のクラシック喫茶、名曲喫茶店があったのだが、音楽系の喫茶店として再興したらしい。名前が何だか微妙な感じもするが。六本木にあるかの有名店と……………関係はないよなあ。以前の名曲喫茶時代の音響システムが残っているのなら、一度行く価値はある。ここは、日本人以外配送もないと思うのだが。

エスニック系食堂といえば良いのか、コロナの間に開いた店が模様替えをしていた。確か最初はタイ料理の店だったような記憶があるが、ベトナム料理の店だったかもしれない。コロナの間は一度も開店しているのをみたことがなかったせいだ。
どうもタイ+ベトナムで再調整するようだ。タイとベトナムは隣同士の国だが、料理は微妙に違っているような気もする。大丈夫だろうかと思うが、そこはエイヤっと乗り越えるのだろうか。東南アジア的エトスで健闘を祈る。ただ、この店はどうみても日本人向けの気がする。

昔アルバイトをしている時に、よくお使いで買い出しに行かされた「市場」だが、当時も市内繁華街では食料品店がなくなっていて、貴重な買い物場所だった。その市場がどんどん変わっていった。肉屋がなくなり、そこが蕎麦屋になり、八百屋が消えた後はおでん屋になる。みたいな変化を続けて、今では個性的な居酒屋、食堂が並ぶ飲み屋横丁に変化してしまった。
ここもコロナの間は死んだふりをしていたようだが、今ではふらっと入るのも難しい人気店になっている。狸小路のあちこちが似たような変化を起こしているが、街が生まれ変わるにはどうやら30年くらいかかるらしい。

確か夏祭りにはライブ演奏ステージになっていた空き地が、ついに正式に「空き地」になったらしい。札幌都心部では珍しいまとまった広さの土地だが、狸小路はすでに大量のホテルが出来上がっているので、この場所がどうなるか興味深い。少し中心部からは外れているので(400mほど)、下北沢の芝居小屋集合体、小さめのライブスペース複合体みたいなものができないかなと思う。

鳴物入りで開いたススキノ角のビル、狸小路駅前通り角のビル、どちらも驚くほどつまらないビル、商業施設になった。どうも、この街の商業施設デザイナーたちはもう少しお勉強が必要なのではないか。
狸小路の活用は、全国的に見ても都心部再生として面白いプロジェクトだと思うのだが。ビルを建てるのではなく、その場所を活用して人を集める、楽しませる空間づくりとしてプロデュースする。そんな感じだろうか。やはり天才が必要なのだろうね。

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