
旧門司港税関を博物館として再利用していた。この国は先の大戦であちこちの街が焼かれ失われた歴史的建造物は多い。昭和の戦後時代、復興の名の下にやたら安っぽい新築物件を濫造したせいで、そもそも歴史的に存在できるような建物がなくなってしまった。東京駅前にある中央郵便局の建て替え騒動を思い出せは、歴史的建造物を保存しようとすると膨大なエネルギーが必要とされる。政治的なパワーまで発揮しなければ止まらないこともある。
まあ、その逆のケースとして、みんながやめようと言っているオリンピックを強行してクビになる首相もいるし、そのオリンピック施設の恒久利用を約束していた都知事も、維持条件が厳しすぎて追及を受ける羽目になっている。まあ、いくらいじめられても逆ギレするか、🙈こと言いましたっけととぼけるだけだからなんの効果もないのかもしれないが。
同じように、もうやめようと言われると意地になって強行開催しようとする万博推進知事もいるし。東西二大自治体首長が、シンクロしたようにあほまる出しの政策推進をするとは、この国の先が知れる。首相も馬鹿なら知事たちはもっと阿呆なのだ。
馬鹿なイベントやら建物ばかり作るのであれば、せめて歴史的建造物の活用くらいしっかりやってくれと言いたくなるのも無理はないだろう。その稀有なモデルが旧門司港税関ビルだと思う。

建物の中にくどくどとした展示物はほとんどない。屋根まで吹き抜けの空間を楽しむだけの施設だ。これが良い。採光と照明のバランスが考えられているのだろう。おそらく夜に来るとまた違った印象があるはずだ。久しぶりに良いものを見せてもらった。



それでもスポンサーである「税関」のアピールも多少なりとはしたいようで、隅っこの方にこじんまりとした展示があった。官製ゆるキャラもいるに入るのだが、これはどこかでみた記憶が……………いや、官製なのだ。違法コピーというはずがない。他人の空似だろう。ただ、名前がカスタム君とある。税関だからカスタムなのか、税関向けに「カスタム」したせいで、他人の空似状態になったのか?
ちなみに、一気にリアルになってしまうのが押収した不正コピー品(偽ブランドもの)の実物展示で、これはもっと別のところで晒し者にしたほうが良いような気もするが。